(オーストラリア・ビクトリア州 最高裁判所)
【目 次】
Ⅰ 民事訴訟
1 民事訴訟の提起
2 宗教民事訴訟
Ⅱ 「宗教活動による不法行為」に対する訴訟
1 法人の能力
2 法人の不法行為能力
3 法人の目的外の不法行為責任
4 宗教法人の目的
5 宗教法人の役員
6 宗教団体の役員
7 宗教主宰者
8 宗教法員の役員の任免
9 宗教活動による不法行為
10 参考文献
Ⅲ 裁判外紛争解決(ADR)
1 裁判外紛争解決とは
2 民間裁判外紛争解決
3 ADRのための手続き
4 宗教に関わるADR
Ⅳ 民事執行
1 民事保全・民事執行
2 公正証書による執行
3 強制執行の準備
Ⅴ 行政訴訟
1 行政訴訟の提起
2 宗教関連の訴訟
Ⅵ 刑事訴訟
1 刑事告訴・刑事告発
2 冤罪防止
3 犯罪被害者支援
4 裁判員
5 司法取引
6 刑法による宗教施設の保護
7 刑法による宗教活動の保護
Ⅶ 家事審判
1 家事審判
2 成年後見
3 遺言の作成と執行
4 死後事務
Ⅷ 法務手続
1 法人設立・法人登記
2 不動産登記
3 供託手続
4 公正証書
5 民事信託
Ⅸ 人権保護(人権侵犯の被害救済)
1 保護される人権(日本国憲法)
2 人権審判の類型
3 人権審判の救済手続き
Ⅹ 宗教団体の法的備え
1 宗教団体に対する悪質な法的攻撃
2 法律家への宗教教育の必要性
3 宗教団体の内部統治と法的規範
4 宗教職・信者・職員への法的教育
5 宗教団体・宗教法人の運営上の注意
6 宗教活動を展開する上での注意
7 参考文献
【手続き】
民事訴訟、民事保全、ADR、民事執行
刑事告訴、刑事告発
成年後見、保佐・補助、未成年後見
遺言、遺言保管、遺言執行
相続、遺産分割、相続財産管理
法人設立、会社設立
不動産登記、商業登記・法人登記、供託
公正証書、民事信託
人権侵犯被害救済
【テーマ】
特殊詐欺、ストーカー、痴漢冤罪
犯罪被害者支援、人権侵犯被害救済
ハラスメント、秘密漏示(秘密漏洩)
法人設立、遺言執行、死後事務
・
・
Ⅰ 民事訴訟
1 民事訴訟の提起
⑴ 宗教者のための民事訴訟
① 宗教団体・宗教法人・宗教職・信者などのために
② 宗教の教義・信仰・信条に基づいた法的理解
③ 信教の自由と宗教者の生活の確立のために
⑵ 宗教に関連する民事訴訟
① 「契約の履行」を求める訴え
㋑ 宗教活動のために必要な神具・法具・法衣などの製作や納品を求める
㋺ 庭園業者に境内庭園の適切な維持管理を求める
など
② 「損害の賠償」を求める訴え
㋑ 宗教職や信者の宗教活動中の交通事故の場合
㋺ 建設業者の不適切な工事により境内建物に損傷が生じた場合
など
③ 「法的な確認」を求める訴え
㋑ 「代表役員でないこと」「責任役員であること」について
㋺ 境内山林の土砂崩れが伐採業者の不始末によることについて
など
2 宗教民事訴訟
① 宗教団体、宗教活動、宗教職、信者、信仰などに関連する訴訟
② ただし、宗教そのもの、信仰や教義についての訴訟は認められません。
・
(カトリック大阪大司教区・大阪カテドラル聖マリア大聖堂)
Ⅱ 「宗教活動による不法行為」に対する訴訟
1 法人の能力
⑴ 民法(34条)
法人は、法令の規定に従い、定款その他の基本約款で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
⑵ 宗教法人法(10条)
宗教法人は、法令の規定に従い、規則で定められた目的の範囲内において、権利を有し、義務を負う。
2 法人の不法行為責任
⑴ 旧・民法(44条1項)
法人は、理事その他の代表者がその職医務を行うについて第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
⑵ 宗教法人法(11条1項)
宗教法人は、代表役員その他の代表者がその職務を行うにつき第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。
3 法人の目的外の不法行為責任
⑴ 旧・民法(44条2項)
法人の目的を超える行為によって他人に損害を加えたときは、その行為に係る事項の決議に賛成した社員及び理事並びにその決議を履行した理事その他の代理人は、連帯してその損害を賠償する責任を負う。
⑵ 宗教法人法(11条2項)
宗教法人の目的の範囲外の行為に由り第三者に損害を加えたときは、その行為をした代表役員その他の代表者及びその事項の決議に賛成した責任役員、その代務者または仮責任役員は、連帯してその損害を賠償する責任を負う。
4 宗教法人の目的
⑴ 宗教法人の目的
㋑ 宗教法人とは、宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的を達成するための業務及び事業を運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力が与えられたものです(宗教法人法1条1項)。
㋺ 宗教法人とは、宗教団体が必要とする礼拝施設などの財産を所有し・維持運用するなどのための法人です。
㋩ 宗教法人の目的は、宗教団体のための財産管理などの世俗の事務を行うことです。
⑵ 宗教団体の目的
㋑ 「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を強化育成することを主たる目的とする、
① 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体、
② これらの団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体
をいう(宗教法人法2条)。
㋺ 宗教団体の目的は、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を強化育成すること(宗教活動)です。
㋩ 宗教法人の目的は、宗教活動を目的とする宗教団体の世俗の事務を担うことです。
⑶ 聖俗分離の原則
㋑ 宗教法人は、「宗教活動」を行うことを目的とする法人ではなく、財産管理など「世俗の事務」を行う法人です。
㋺ 宗教法人は、宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的を達成するための業務及び事業を運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力が与えられたものです(宗教法人法1条1項参照)。
㋩ 一つの団体・法人でありながら、「宗教活動」を行う聖なる領域(聖域)と「世俗の事務」を行う俗なる領域(俗域)とに分けられ、宗教法人法が適用されるのは、もっぱらその俗なる領域のみです。
㋭ 宗教法人は宗教的事項と世俗的事項の二面の機能を併せ持っていますが、宗教法人法は宗教団体の世俗的事項に関してのみ規定しています(文化庁「宗教法人ガイドブック」)。
5 宗教法人の役員
⑴ 代表役員・責任役員の権限
㋑ 代表役員は、宗教法人を代表し、その事務を総理する(宗教法人法18条3項)。
㋺ 責任役員は、規則で定めるところにより、宗教法人の事務を決定する(宗教法人法18条4項)。
⑵ 宗教上の権限
㋑ 代表役員及び責任役員の宗教法人の事務に関する権限は、当該役員の宗教上の機能に対するいかなる支配権その他の権限も含むものではない(宗教法人法18条6項)。
㋺ 宗教上の権限は、代表役員・責任役員の権限ではありません。
㋩ 代表役員が宗教主宰者や宗教職を任職し、宗教団体の役員を任命し、信者を認定することはできません。
㋥ 代表役員が宗教活動を指揮することはできません。
6 宗教団体の役員
⑴ 宗教団体の役員
㋑ 通例、宗教団体には、宗教団体の教義や基範に基づく、独自の役職制度が設けられています。
㋺ 古来の神社・寺院・教会などでは、宮司・住職・牧師・司祭などの宗教主宰者が宗教団体の代表となる役職を兼ねているのが通例です。
㋩ 多くの神社・寺院・教会などには、氏子総代・檀信徒総代・評議員・教会役員などの役員が置かれています。
⑵ 宗教法人の役員
㋑ 小規模な宗教団体(小さな神社・寺院・教会など)では、宗教団体の役員が宗教法人の役員を兼ねている例が多い。
㋺ 宗教団体の役員(たとえば、5人)の一部が宗教法人の役員(たとえば、3人)となる例が多い。
㋩ 両者の役員を兼任していても、その職務・権限は、当然、別々です。
㋥ 宗教主宰者(宮司・住職・牧師・司祭など)を代表役員と定める宗教法人が多い。
㋭ 宗教主宰者(宮司・住職・牧師・司祭など)が、信者である宗教団体の役員から代表役員を指名する例もある。
㋬ 中規模以上の宗教団体(教派・宗派・教団など、中規模以上の神社・寺院・教会など)の多くでは、宗教団体の役員と宗教法人の役員とは、はっきりと区別されています。
㋣ 大多数の宗教団体では、宗教法人の役員は、宗教主宰者・宗教団体・宗教団体の役員が任命するものとされています。
7 宗教主宰者
㋑ 多くの宗教団体においては、宗教活動は、宗教主宰者(教祖・教主・宗祖・宗座など、教派・宗派・教団などの総裁・統理・管長・議長・会長など、神社・寺院・教会などの宮司・住職・牧師・司祭など)によって指導されています。
㋺ 宗教主宰者を、宗教団体の役員(代表者)をするところもあれば、宗教団体の役員ではなく、その上位の特別の座位とするところもあります。また、宗教団体の代表者を宗教主宰者とするところもあります。
㋩ 「信教の自由」の観点から、宗教職(神職・宮司・禰宜・僧侶・住職・布教師・教師・聖職者・教職者・牧師・司祭・伝道師・宣教師など)や信者(氏子・檀徒・信徒・教会員・会員・崇敬者など)は、宗教主宰者の宗教上の指導に基づいて、自己の自由意思に従って、宗教活動を行うものと考えられます。
㋥ 「信教の自由」の観点から、宗教職や信者の行為は、宗教主宰者や上位の宗教職・信者の命令によるものではなく、その指揮監督下にあるものでもないと考えられます。
㋭ 多くの宗教団体では、宗教主宰者は宗教上の尊敬を受ける聖なる存在として、世俗の義務や責任を負わせない立場とされています。
8 宗教法人の役員の任免
㋑ 多くの宗教団体では、宗教団体の会議・役員の上申に基づいて、宗教主宰者が宗教法人の役員を指名・任命・認証などするものなどとされています。
㋺ 多くの宗教団体では、宗教主宰者が、宗教団体の会議・役員の上申に基づいて、宗教法人の役員を解任・解任の認証などするものなどとされています。
㋩ 多くの小規模な宗教団体では、宗教主宰者が、宗教法人の役員を任免するものとされています。
9 宗教活動による不法行為
㋑ 宗教活動は宗教法人の目的外の行為なので、直接、宗教法人の責任を問うことはできません。
㋺ 宗教法人の代表者である代表役員には宗教上の権限はないので、宗教法人の責任を問うことはできません。
㋩ 「信教の自由」の観点から、宗教活動に伴う不法行為の責任は、その行為を行った宗教職・信者個人の責任です。
㋥ 団体として「信教の自由」を否定する行為を命令・強制しているなら、「宗教活動ではない」とみなすこともありえます。
㋭ 宗教法人は、直接、宗教活動による不法行為の損害賠償責任を負うわけではありませんが、宗教団体の財産管理を行う法人ですから、宗教団体の不法行為による損害賠償責任を履行する責任は負うことになります。
10 参考論文
櫻井圀郎「宗教法人法における宗教法人と宗教団体」『宗教法』(宗教法学会、2005年)
櫻井圀郎「宗教活動による不法行為と宗教法人の責任」『法政論集』(名古屋大学、2008年)
櫻井圀郎「宗教活動に基づく不法行為と宗教法人の責任」『私法』(日本私法学会、2013年)
櫻井圀郎「社寺教会等における宗教主宰者と代表役員」『宗教法』(宗教法学会、2017年)
櫻井圀郎『教会と宗教法人の法律』(キリスト新聞社、2007年)
・
(英国・ロンドンにて王立裁判所)
Ⅲ 裁判外紛争解決(ADR)
1 裁判外紛争解決とは
㋑ 「裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律(ADR法)」に基づく、紛争の解決です。
㋺ 「ADR(Alternative Dispute Resolution)」(裁判所による解決の他の解決)です。
㋩ 当事者双方の合意を目指して、解決を図る手続きです。
2 民間裁判外紛争解決
㋑ 民間裁判外紛争解決手続(ADR手続)とは、ADR法に基づいて、法務大臣が認証した機関(ADR機関)が行う裁判外の紛争解決手続きです。
㋺ ADR機関には、次のようなものがあります。
Ⓐ 日本弁護士連合会ADRセンター
Ⓑ 行政書士ADRセンター
Ⓒ 司法書士海調停センター
Ⓓ 税理士会
Ⓔ 社労士会労働紛争解決センター
Ⓕ 日本海運集会所
Ⓖ PLセンター
Ⓗ 国民生活センター紛争解決委員会
Ⓘ 民間総合調停センター
㋩ 各種の業界団体も、業界のADRセンターを置いています。
3 ADRのための手続き
㋑ ADR手続きの書類作成は、弁護士・司法書士の業務です。
㋺ ADR手続きの代理は、法律の規定により、弁護士、司法書士、行政書士、税理士、弁理士などの業務です。
・
4 宗教に関わるADR
㋑ 宗教活動、宗教団体、宗教法人、宗教職、信者など宗教に関するADRも求められます。
㋺ 法律では解決できない、宗教上の問題についても解決できるADRが求められます。
・
(中国河南省・開封「大相国寺」の千手観音)
Ⅳ 民事執行
1 民事保全・民事執行
① 宗教団体・宗教法人に対する民事保全・民事執行の申立て
② 宗教団体・宗教法人の権利を保全するための民事保全・民事執行の申立て
2 公正証書による執行
⑴ 強制執行認諾文言
⑵ 送達証明書
⑶ 執行文の付与
3 強制執行の準備
⑴ 財産開示手続き
⑵ 勤務先情報の開示
⑶ 銀行預金情報の開示
⑷ 不動産登記情報の開示
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(パラオ・最高裁判所にて)
Ⅴ 行政訴訟
1 行政訴訟の提起
行政庁に対する、宗教に関連する行政手続・行政処分に対する訴訟の提起
2 宗教関連の訴訟
宗教に関連する行政訴訟における調査、鑑定および意見書の作成
・
(声を聞いて、裁きをつける)
Ⅵ 刑事訴訟
1 刑事告訴・刑事告発
① 宗教に関連する犯罪についての告訴・告発
② 宗教団体・宗教法人の犯罪に対する告訴・告発
2 冤罪防止
① 宗教職・宗教者のための冤罪防止
② 電車・公衆の場所における痴漢冤罪の防止
③ 宗教施設内における性的犯罪・暴力犯罪等の防止
3 犯罪被害者支援
⑴ 当事務所の業務
① 宗教に関連した犯罪被害者のために、相談に応じ、助言や手続きの支援を行います。
② 宗教信者である犯罪被害者のために、信仰や宗教上の問題との兼ね合いから必要な助言や相談に応じます。
③ 宗教団体内で起こった犯罪の被害者のために、助言・協力・相談に応じます。
④ 宗教団体における犯罪被害者に対する対応や支援について、助言・協力・相談に応じます。
⑵ 犯罪被害者への法律上の配慮
犯罪被害者には、法律上、次の⑶〜⑻のような配慮がされています。
⑶ 公判手続の傍聴
加害者の刑事裁判を傍聴することができます。
⑷ 公判記録の閲覧・謄写
① 加害者の刑事裁判の公判記録を閲覧することができます。
② 加害者の刑事裁判の公判記録を謄写(コピー)することができます。
③ 関連事件の公判記録の閲覧や謄写も認められています。
④ 関連事件とは、加害者や共犯者による、同様の態様で継続的・反復的に行われた、同一・同様の犯罪の刑事裁判をいいます。
⑸ 犯罪被害者への証人尋問
① 犯罪被害者が証人となる場合、
Ⓐ 被告人(加害者)の前では、著しく不安・緊張を覚えるおそれがあります。
Ⓑ その不安や緊張を緩和するために、適当な者(付添人)を付き添わせることができます。
② 犯罪被害者が証人となる場合、
Ⓐ 被告人(加害者)の前では、圧迫を受け精神の平穏を害するおそれがあります。
Ⓑ 被告人と証人との間に、相手の状態を認識することができない措置をとります。
Ⓒ パーテーションによる「目隠し」という遮蔽措置です。
③ 犯罪被害者が証人となる場合、
Ⓐ 被告人(加害者)のいる法廷では、証人尋問が困難なことがあります。
Ⓑ その場合には、裁判所の別室にて、ビデオで尋問することができます(ビデオリンク方式)。
⑹ 被害者参加制度
① 犯罪被害者は、裁判所の許可を得て、加害者の刑事裁判に参加することができます。
その場合、「被害者参加人」と呼びます。
② 従来、被害者は、自分が加害者の犯罪行為に関する刑事裁判の外に置かれていました。
被害者は部外者とされていましたから、被害者の知らない間に刑事裁判が行われていました。
③ 新しい制度では、直接、刑事裁判に参加することができるようになりました。
④ 被害者参加人には、公判期日が通知され、公判期日に出席することができます。
⑤ 被害者参加人は、検察官に意見を述べることができます。
⑥ 被害者参加人は、犯罪事実に関する情状事実について、直接、証人を尋問することができます。
⑦ 被害者参加人は、被告人に供述を求める質問をすることができます。
⑧ 被害者参加人は、事実と法律の適用に関する意見を陳述することができます。
⑨ 被害者参加人が著しく不安・緊張を覚えるおそれがあるときは、不安・緊張を緩和するのに適切な者(付添人)を付き添わせることができます。
⑩ 被害者は、多くの場合、加害者の前に立つと不安や緊張が生じます。
そばにいてくれるだけで安心できるような人(付添人)と共に出廷することができます。
(11) 被害者参加人が圧迫を受け精神の平穏を著しく害されるおそれがあるときは、被告人から被害者参加人の状態が認識されないようにする措置(遮蔽措置)を採ることができます。
(12) 被害者は、多くの場合、加害者の前に立つと威圧を感じたり、平常心でいられなくなります。
被告人に顔が見られないような衝立(パーテーション)を立ててもらうことができます。
傍聴席に対しても同様の扱いがされます。
(13) 被害者参加人に対しては、旅費、日当、宿泊料が支給されます。
⑺ 刑事裁判における民事上の和解
① 刑事裁判の過程で、被告人と被害者が、民事上の争いについて合意することができます。
② 刑事裁判の過程で、「和解調書」が作成され、民事上、強制力のある和解となります。
③ 別に、民事裁判を起こす必要がなくなります。
⑻ 刑事裁判における損害賠償請求
① 犯罪被害者は、事件の係属している刑事裁判所に、「損害賠償命令」の申立てをすることができます。
② 刑事裁判所で「損害賠償命令」が発せられます。
③ 別に、民事訴訟手続をする必要がなくなります。
4 裁判員
⑴ 裁判員裁判
① 国民の中から選任された「裁判員」が「裁判官」と共に関与する刑事訴訟手続をいいます。
② 対象となるのは、「地方裁判所」の事件です。
③ 対象となる事件は、次の罪にかかるものです。
㋑ 死刑に当たる罪
㋺ 無期の懲役・禁錮に当たる罪
㋩ 故意の犯罪行為により被害者を死亡させた1年以上の懲役・禁錮に当たる罪
⑵ 裁判員裁判の構成
① 「裁判官3人」+「裁判員6人」。
② 「裁判官」のうち1人は「裁判長」。
⑶ 裁判員裁判の判断
① 次の事項は、裁判官と裁判員との合議によって判断します。
㋑ 「事実の認定」
㋺ 「法令の適用」
㋩ 「刑の量定」
② 次の事項は、裁判官のみの合議によって判断します。
㋑ 「法令の解釈」
㋺ 「訴訟手続き」
⑷ 裁判員の選任
「裁判員」は、衆議院議員の選挙権がある国民の中から選任されます。
⑸ 裁判員の欠格事由
次の者などは、「裁判員」に選任することができません。
㋑ 成年被後見人(成年後見人の付された者)
㋺ 被保佐人(保佐人の付された者)
㋩ 禁錮以上の刑に処せられた者
㋥ 憲法・政府の暴力破壊を主張する団体の結成・加入者
㋭ 義務教育未了の者
⑹ 裁判員の就任制限
次の者などは、「裁判員」になることができません。
㋑ 国会議員
㋺ 国務大臣
㋩ 一定の国家公務員
㋥ 裁判官・元裁判官
㋭ 検察官・元検察官
㋬ 弁護士・元弁護士
㋣ 弁理士
㋠ 司法書士
㋷ 公証人
㋦ 司法警察職員
㋸ 裁判所職員
㋾ 法務省職員
㋻ 国家公安委員会委員・都道府県公安委員会委員・警察職員
㋕ 判事・判事補・検事・弁護士となる資格のある者
㋵ 大学学部・専攻科・大学院の法律学の教授・准教授
㋟ 司法修習生
㋹ 都道府県知事・市町村長・特別区長
㋞ 自衛官
㋡ 禁錮以上の刑に当たる罪の被告人
㋧ 逮捕・勾留されている者
⑺ 裁判員の辞退
次の者は、「裁判員の辞退」をすることができます。
㋑ 年齢70年以上の者
㋺ 会期中である地方議会の議員
㋩ 学校の学生・生徒
㋥ 過去5年以内に裁判員・補充裁判員であった者
㋭ 過去3年以内に選任予定裁判員であった者
㋬ 過去1年以内に裁判員候補者として選任手続きに出頭した者
㋣ 過去5年以内に検察審査員・補充員であった者
㋠ 次の事由などで、裁判員・補充裁判員となることが困難な者
Ⓐ 重い疾病・傷病
Ⓑ 同居の親族の介護・養育
Ⓒ 事業の重要な用務
Ⓓ 父母の葬式への出席など
Ⓔ 重大な災害の被害
⑻ 裁判員の職務
① 証人などへの尋問
② 被害者などへの質問
③ 被告人への質問
④ 裁判の評議への出席・意見陳述
⑤ 裁判の評議の評決
5 司法取引
・
6 刑法による宗教施設の保護
⑴ 礼拝所不敬罪
① 保護の対象となる施設
㋑ 神祠・仏堂・墓所その他の礼拝所。
㋺ 神社、寺院、教会、修道院、祈祷院、墓苑、納骨堂など。
② 犯罪となる行為
①の施設に対して、公然と不敬な行為をすること。
③ 罰則
6月以下の懲役・禁錮、10万円以下の罰金。
⑵ 墳墓発掘罪
① 墳墓発掘罪
墳墓を発掘する行為。1年以下の懲役。
② 墳墓発掘死体損壊等罪
㋑ 墳墓を発掘して、死体・遺骨・遺髪・納棺物を損壊・遺棄・領得する行為。
㋺ 3月以上5年以下の懲役。
⑶ 住居・建造物侵入罪・不退去罪
① 保護の対象となる施設
㋑ 人の住居
教職舎・宮司舎・庫裏・牧師館・司祭館などとその敷地。
㋺ 人の看守する建造物
神社・寺院・教会などの建物・建造物・庭園などとその敷地。
② 犯罪となる行為
㋑ ①の施設に、正当な理由がないのに侵入すること。
あ 「侵入」とは、①の施設に立ち入ること。
い 楼門・山門・正門などから堂々と入っても「侵入」に当たります。
う 礼拝・祈願・祈祷・参拝・参詣などで入るのは「正当な理由」です。
え 宗教活動の妨害や施設の損傷などの目的で入るのは「侵入」です。
お 宗教施設で定めた時間やルールに反した行為も「侵入」に当たります。
㋺ ①の施設から退去を求められたのに退去しないこと。
③ 罰則
3年以下の懲役、10万円以下の罰金。
7 刑法による宗教活動の保護
⑴ 秘密漏示罪
① 保護される人
氏子・檀徒・信徒・信者・参拝者・崇敬者・祈祷依頼者など。
② 保護される秘密
㋑ 宗教・祈祷・祭祀に関するあらゆること。
㋺ 関与事実、個人情報、祈祷内容、信仰内容などあらゆること。
③ 保護する義務のある人
㋑ 宗教・祈祷・祭祀の職にある者。
㋺ 宮司・住職・牧師・司祭・教会長など。
㋩ 禰宜・僧侶・祈祷師・宣教師・伝道師など。
④ 罰則
6月以下の懲役、10万円以下の罰金。
⑵ 侮辱罪・名誉毀損罪
⑶ 信用毀損罪・業務妨害罪・威力業務妨害罪
⑷ 脅迫罪・強要罪・恐喝罪・暴行罪・傷害罪
⑸ 横領罪・業務上横領罪・背任罪・詐欺罪。
⑹ 逮捕罪・監禁罪・誘拐罪
・
(オーストラリア・ビクトリア家庭裁判所)
Ⅶ 家事審判
1 家事審判
① 宗教者の家事事件に関する申立て
② 宗教が関連する家事事件についての助言
2 成年後見
⑴ 「補助」「保佐」「後見」とは?
㋑ 「補助」とは
ⓐ 「精神上の障害」により、事理を弁識する能力が「不十分」な場合に、家庭裁判所の審判により、「補助人」をつけることをいいます。
ⓑ 本人が、「特に定められた一定の法律行為」をしようとするときには、「補助人の同意」を得ることが必要になります。
ⓒ このように「本人を補助」することによって、本人の財産を守る制度です。
㋺ 「保佐」とは
ⓐ 「精神上の障害」により、事理を弁識する能力が「著しく不十分」な場合に、家庭裁判所の審判により、「保佐人」をつけることをいいます。
ⓑ 本人が、借財・保証・贈与・不動産の処分・新築改築・賃貸借などのような「重要な法律行為」をしようとするときには、「保佐人の同意」を得ることが必要になります。
ⓒ このように、「本人を保佐」することによって、本人の財産を守る制度です。
㋩ 「後見」とは
ⓐ 「精神上の障害」により、事理を弁識する能力を「欠く常況」にある場合に、家庭裁判所の審判により、「成年後見人」をつけることをいいます。
ⓑ 本人のした「法律行為」は「取り消すことができる」ものとされます。
ⓒ 成年後見人は、本人の「財産を管理」します。
ⓓ 成年後見人は、管理財産に関する本人の「代理人として法律行為」を行います。
ⓔ このように、本人を後見することによって本人の財産を守る制度です。
ⓕ なお、成年後見人には、家庭裁判所の審判により、「成年後見監督人」をつけることができます。
ⓖ 成年後見監督人は、成年後見人の事務を監督し、よりしっかりと本人の財産を守ります。
⑵ 「任意後見」「法定後見」とは?
㋑ 「任意後見」とは
ⓐ 事理弁識能力が「十分」なときに、本人が、予め契約しておく手続をいいます。
ⓑ 本人が行う手続きなので、最大限に本人の意思や意向を反映することができます。
ⓒ その意味で、本人の意に反した後見を防止することができます。
㋺ 「法定後見」とは
ⓐ 事理弁識能力を「欠いて」から、関係者の申立によって、家庭裁判所が審判によって決定する手続をいいます。
ⓑ 既に本人が事理弁識能力を欠いてからの手続きなので、直接に本人の意思によるわけではありませんが、本人の財産の保護するためになされるものです。
⑶ 任意後見の手続
㋑ 宮司・住職・牧師・司祭など宗教専門職にある方や宗教の信仰者の方の「任意後見」のご相談に応じます。
㋺ 単に、世俗的な財産の管理や保護だけではなく、宗教的な意味にしたがい、宗教的な立場を堅持し、信仰者としてふさわしいあり方を考えます。
㋩ 任意後見手続にご協力し、任意後見人をつとめることもできます。
⑷ 法定後見の手続
㋑ 法定後見の申立てを行います。
㋺ 家庭裁判所の審判により、成年後見人・後見監督人をつとめます。
3 遺言の作成と執行
⑴ 遺言の作成
㋑ 「遺言(普通方式)」には、次の3種類があります。
① 「自筆証書遺言」
全文・日付・氏名を自書して作成します。
② 「公正証書遺言」
証人2人と共に公証人役場に出頭し、公証人に口述し、作成されます。
③ 「秘密証書遺言」
作成した遺言を封入し、証人2人と共に公証人役場に出頭し、封印してもらいます。
㋺ どの方式の遺言でも効力は同じです。
㋩ 遺言は、遺言者の死亡の時から効力を生じます。
㋥ 複数の遺言がある場合、内容が抵触しなければ、すべての遺言が有効な遺言となります。
内容が相互に抵触するときは、基本的に、後のものが有効となります。
㋭ 遺言の作成については、ご相談ください。
ⓐ 遺言は、自己の死亡後に効力を発生するものです。
ⓑ 後になってから修正することは不可能です。
ⓒ 作成時に慎重な判断が必要です。
㋬ 参考文献:
櫻井圀郎『遺言の作法〜死んでも生きる言葉〜』(ライフリサーチプレス)
櫻井圀郎「住職も知るべし遺言の法的要件」『月刊住職』2015年4月号
⑵ 遺言書の保管
㋑ 公正証書遺言は、原本が公証人役場に保管されていますから、紛失や改竄のおそれはありません。
㋺ 自筆証書遺言は、簡便ですが、どのように保管するかが一つの問題でした。
ⓐ 死亡時までは、内容を知られたくないということから、遺言の作成を秘密にされがちだからです。
ⓑ 推定相続人らに知られないところに隠しておくと、死後、遺言書が発見されないおそれがあります。
ⓒ 遺言書が発見されなければ、遺言を作成した意味はありません。
㋩ 宗教団体の遺言書保管
ⓐ 本人の所属する宗教団体は、本人が信頼している生命に関わる団体です。
ⓑ 宗教職・宗教団体は、遺言者本人の死期に立ち会うことが多いので、最も適しています。
ⓒ 宗教職・宗教団体は、本人の死の連絡を受けることが多いので、最も適しています。
ⓓ 「宗教団体での遺言書保管」についての、ご相談をお受けしています。
㋥ 遺言書の検認
ⓐ 本人が死亡したときは、遺言書の保管者・発見者は、裁判所に届け出なければなりません。
ⓑ 封印された遺言書は、「裁判所で開封」の手続きを取らなければなりません。
ⓒ 自筆証書遺言は、「裁判所の検認」を受けなければなりません。
改竄等のないことを確認するためです。
ⓓ TVドラマで、「弁護士が遺言書を隠している」「弁護士が遺言書を開封する」というのは間違っています(違法です)。
㋭ 遺言書の法務局保管
ⓐ 今後、自筆証書は「法務局で保管」される制度が始まります。
ⓑ この新制度は、2020年7月までに施行されます。
ⓒ 新制度では、遺言書の閲覧や謄本が可能となります。
ⓓ 法務局が保管する遺言書については、「裁判所の検認」は不要になります。
ⓔ 参考文献:
櫻井圀郎「遺言書は法務局に預ける時代に」『月刊住職』2018年9月号
⑶ 遺言の執行
㋑ 遺言は、本人の死後、発効しますが、自動的に、遺言内容が実現されるわけではありません。
㋺ 本人の希望した通りに、遺言が実現されるには、「遺言の執行」が必要です。
㋩ 遺言の執行は、「遺言執行人」が行います。
㋥ 遺言執行人は、遺言で定めておくこともできますが、そうでなければ、死後、選任することになります。
㋭ 無宗教や異宗教の遺言執行人が選任された場合、宗教的に遺言者と異なる判断・執行が心配されます。
㋬ 宗教職・宗教者の遺言の執行について、ご相談に応じます。
㋣ 宗教を十分に考慮した遺言の執行につとめます。
4 死後事務
㋑ 「死後事務委任契約」
ⓐ 自己の死後に、一定のことを行うよう委任する契約です。
ⓑ 自己の「葬儀」「埋葬(焼骨の収蔵・散骨)」など、遺言で実現できなことを委任します。
㋺ 宗教団体の死後事務受任
ⓐ 本人の信頼を受け、本人の生命を託していた宗教団体が受任するのは適切です。
ⓑ 宗教団体の死後事務受任について、ご相談ください。
㋩ 宗教職・宗教者の死後事務
ⓐ 宗教職・宗教者の葬儀・埋葬など死後の事務について、ご相談ください。
ⓑ 特別の葬儀・埋葬などを執行します。
・
(法務省・旧庁舎)
Ⅷ 法務手続
1 法人設立・法人登記
⑴ 宗教法人の制度
㋑ 「宗教法人制度」は、「他の法人制度」とは、根本的に異なります。
㋺ 「宗教法人の設立」は、他の法人の設立と同様・類似の方法によってはできません。
㋩ 宗教法人は、宗教活動を行う目的で設立することはできません。
㋥ 「宗教法人が設立できない」という人のほとんどは「宗教法人の誤解」です。
㋭ 「宗教法人の売買」のほとんどは「宗教法人の誤解」からです。
㋬ 「宗教法人」は「宗教活動を行う宗教団体」の財務管理など世俗事務のための法人です。
㋣ 「宗教法人の設立」は、「宗教団体の存在」を前提としています。
㋠ 「新たに宗教活動を始める」には「宗教団体の設立」からとなります。
⑵ 宗教法人の設立
㋑ 宗教法人の設立は、許認可ではありません。
㋺ 宗教法人の設立は、誰でも可能なことではありません。
㋩ 宗教法人の設立は、「宗教活動を行ってきた宗教団体」に限ります。
㋥ 宗教法人の設立は、宗教団体の「財務管理などの必要」のためです。
⑶ 宗教法人の設立手続き
① 「宗教団体」において「宗教法人設立の意思決定」をする。
ⓐ 意思決定は、各団体の定めるところによります。
ⓑ 意思決定の定めがない団体では、宗教団体と認められません。
② 「宗教法人の規則」を作成する。
ⓐ 宗教法人の「規則」とは、一般法人の「定款」に当たる基本規約です。
ⓑ 宗教法人の規則には、「宗教的な事項」は記載しません。
③ 「宗教法人の役員」を定めます。
ⓐ 「責任役員3人以上」で、うち一人を「代表役員」とします。
ⓑ 上記以外の役員を定める場合は、その役員も定めます。
④ 「包括宗教団体の承認」を受けます。
ⓐ 「包括宗教団体」とは、宗教団体として所属している教宗派教団をいいます。
ⓑ その承認の手続きは、包括宗教団体の定めるところによります。
ⓒ 包括宗教団体がない場合(単立の場合)は、必要ありません。
⑤ 「規則の公告」をします。
ⓐ 規則の公告は、規則で定める方法で行います。
ⓑ 公告は、「1ヶ月以上」必要です。
⑥ 所轄庁に「規則の認証申請」をします。
ⓐ 「規則の認証」は「定款の認証」と同様です。
ⓑ 基本的に、規則が法令の規定に適合しているか否かの確認です。
ⓒ ただし、その大前提として「宗教団体であること」の確認があります。
ⓓ 宗教団体でなければ宗教法人となれないからです。
ⓔ 所轄庁とは、基本的には、所在地の都道府県知事ですが、2以上の都道府県に境内建物がある場合は文部科学大臣です。
ⓕ 申請受理後3ヶ月以内に認証されるか否かの決定がされます。
⑦ 「規則の認証書」と「認証された規則」の交付。
ⓐ 規則が認証されれば、「認証書」と「認証された規則」が交付されます。
ⓑ そうでなければ「非認証」の旨の「理由を付した通知書」が交付されます。
ⓒ 「非認証」の場合には、あらかじめ通知され、「意見を述べる機会」があります。
⑧ 「宗教法人設立登記申請」をします。
ⓐ 所轄の法務局に「設立登記申請」をします。
ⓑ 設立登記が完了した時に「法人成立」となります。
⑨ 「宗教法人設立登記完了届」をします。
ⓐ 所轄庁に「設立登記の完了届」を提出します。
ⓑ これで、宗教法人の設立手続きは完了となります。
⑩ 所有権移転・名義変更などの手続きが必要です。
ⓐ 境内建物・境内地の「所有権移転登記」申請をしなければなりません。。
ⓑ 船舶については、「所有権移転登記」と「名義変更登録」をし、「船舶国籍証書」「船舶検査証書」の書き換えをしなければなりません。
ⓒ 銀行預金・有価証券・自動車などについては、所定の「名義変更」をしなければなりません。
ⓓ 境内建物・境内地については、固定資産税の非課税の扱いを受けるための手続きが必要です。
ⓔ ただし、宗教団体・宗教活動・宗教職・信者などには変化はありません。
⑷ 「宗教法人の設立」のご相談
㋑ 「宗教法人の設立」をお考えの方は、できるだけ早い機会に、当事務所にご相談ください。
㋺ 「宗教法人の設立」に関して「誤った情報」も多く出回っていますから、ご注意ください。
㋩ 当事務所の「無料相談」を、有効に、ご利用ください。
⑸ 一般法人の設立
① 「一般社団法人」「一般財団法人」
ⓐ 一般社団法人・一般財団法人の設立のお手伝いをします。
ⓑ 当事務所で扱う一般社団法人・一般財団法人は、次のような目的や事業のものです。
・ 宗教活動
・ 宗教活動の付帯事業・関連事業
・ 宗教団体・宗教法人の支援、宗教職・宗教者の支援など
・ 宗教者を社員とする一般社団法人
・ 宗教者を出資者とする一般財団法人
ⓒ ぜひ、企画・構想の段階から、ご相談ください(無料相談をご利用ください)。
② 「公益社団法人」「公益財団法人」
ⓐ 一般社団法人・一般財団法人の「公益認定」のお手伝いをします。
ⓑ 事前のご相談をお寄せください(無料相談をご利用ください)。
③ 「学校法人」
ⓐ 「学校法人」の設立のお手伝いをしています。
ⓑ 当事務所では、宗教の目的や実戦、宗教者による学校法人を対象としています。
ⓒ 希望される宗教教育や宗教に基づく教育の理念を活かす道を考えます。
ⓓ ぜひ、企画の段階からご相談ください(無料相談をご利用ください)。
④ 「社会福祉法人」「医療法人」
ⓐ 当事務所では、宗教の理念に基づいた法人設立のお手伝いをしています。
社会福祉事業を行おうとする社会福祉法人
病院・診療所などを開設しようとする医療法人
ⓑ ぜひ、企画の段階からご相談ください(無料相談をご利用ください)。
⑹ 株式会社の設立
㋑ 当事務所では、宗教者の経営する株式会社の設立のお手伝いをしています。
㋺ ぜひ、企画の段階からご相談ください(無料相談をご利用ください)。
2 不動産登記
⑴ 境内地・境内建物・宗教関連の不動産の取得・譲渡
⑵ 宗教法人が取得する不動産についての登録免許税非課税手続
⑶ 宗教法人から取得する不動産の登記
☆ 宗教法人の不動産取引には特別の規定があります。事前にご相談ください。
3 供託手続
⑴ 宗教に関連する弁済供託
⑵ 宗教団体・宗教者の事業に関する供託
4 公正証書
⑴ 宗教に関連する契約・遺言・事実確認に関する公正証書
⑵ 宗教職・宗教者の遺言に関する公正証書
⑶ 宗教団体・宗教法人の関連する公正証書
5 民事信託
⑴ 宗教職・宗教者の死後の財産管理
⑵ 墓地・墳墓の永代管理
⑶ 宗教関連事業の永続管理
・
(パラオ・最高裁判所)
Ⅸ 人権保護(人権侵犯の被害救済)
1 保護される人権(日本国憲法)
第11条 全ての基本的人権の享有。
第11条 侵すことのできない永久の権利。
第13条 個人として尊重。
第13条 最大の尊重を必要とする、生命・自由・幸福追求の権利。
第14条 法の下の平等。
第14条 人種、信条、性別、社会的身分、門地により差別されない権利。
第15条 公務員を選定し、罷免する権利。
第15条 公務員の選挙権。
第15条 選挙における投票の秘密。
第16条 損害救済、公務員罷免、法律・命令・規則の制定・廃止・改正を請願する権利(請願件)。
第17条 国・公共団体に賠償を求める権利。
第18条 奴隷的拘束を受けない権利。
第19条 思想・良心の自由。
第20条 信教の自由。
第20条 宗教上の行為・祝典・儀式・行事に参加強制されない権利。
第21条 集会・結社・言論・出版など、表現の自由。
第21条 検閲されない権利。
第21条 通信の秘密。
第22条 居住・移転・職業選択の自由。
第22条 外国に移住する権利。
第22条 国籍を離脱する権利。
第23条 学問の自由。
第24条 両性の合意のみに基づく婚姻。
第25条 健康で文化的な最低限度の生活を営む権利。
第26条 能力に応じて等しく教育を受ける権利。
第27条 勤労の権利および義務。
第28条 勤労者の団結権・団体交渉権・団体行動権。
第29条 財産権。
第31条 法律の規定によらずに生命・自由を奪われない権利。
第32条 裁判を受ける権利。
第33条 令状によらずに逮捕されない権利(現行犯逮捕を除く)。
第34条 所定の要件によらずに抑留・拘禁されない権利。
第35条 住居・書類・所持品の侵入・捜索・押収を受けない権利。
第37条 刑事被告人の公平な裁判所の公開裁判を受ける権利。
第37条 刑事被告人の証人審問権。公費で証人を求める権利。
第37条 刑事被告人の弁護人依頼権。
第38条 自己に不利益な供述を強制されない権利。
第39条 遡及処罰されない権利。一事不再理の権利。
第40条 無罪の刑事補償を受ける権利。
2 人権侵犯の類型
⑴ 公務員による人権侵犯
① 警察官などによる犯罪捜査などに関して。
② 教育職員による体罰など。
③ その他の公務員によるもの。
⑵ 私人による人権侵犯
① 人身売買
㋑ 売春など
㋺ 違法風俗など
㋩ 児童ポルノなど
㋥ 偽装結婚など
㋭ 強制労働など
㋬ 宗教儀式など
② 虐待・暴行・暴言
㋑ 家族間(D V)・親族間など
㋺ 高齢者・要介護者・養看護者など
㋩ 交友関係・地域社会など
㋥ 職場・学校・宗教団体・ボランティア・同好会・クラブなど
㋭ 無関係な弱者に対して(ホームレス・身体障害者・精神障害者・入院患者・施設収容者など)
③ 私的制裁(リンチ)
㋑ スポーツ団体(プロ・アマ・学校)など
㋺ 学校・職場の先輩後輩関係など
㋩ 暴力・暴走・窃盗などを目的とする団体など
㋥ 政治団体・政策団体・選挙運動など
㋭ 商業的独占・カルテルなどの組織など
㋬ 宗教団体・福祉団体・ボランティア団体など
④ 医療・社会福祉・宗教・教育の現場
㋑ 暴力・暴行・虐待など
㋺ 暴言・名誉毀損・侮辱など
㋩ 不当要求・不当不作為・不当放置など
㋥ 違法医療・違法投薬など
㋭ 違法介護・違法看護など
㋬ デマ・流言・噂話など
㋣ 性交・性的行為の強要など
⑤ 地域社会
㋑ 村八分・仲間外れなど
㋺ 広報不伝達・広報誤報など
㋩ 役割強制・役割排除など
㋥ 監視・通行妨害など
㋭ デマ・流言・噂話など
⑥ 信教の自由
㋑ 宗教差別・信仰者差別など
㋺ 信仰制限・信仰妨害など
㋩ 施設使用差別・施設追い出しなど
㋥ 入居制限・入居妨害・退去勧告・退去強制など
⑦ 学校・教育関係
㋑ いじめ・嫌がらせ・流言飛語・噂話など
㋺ 暴力・暴行・暴言・性的強制など
㋩ 入学制限・入学妨害・登校制限・登校妨害など
⑧ 職場・労働関係
㋑ パワーハラスメント・セクシャルハラスメント・いじめ・いびりなど
㋺ 暴言・流言・暴行・不当要求など
㋩ 時間外労働・休日労働・有給休暇不付与など
㋥ 不当配転・不当解雇・不当不昇給・不当不昇任など
⑨ 被害者の二重被害
㋑ 犯罪被害者・交通事故被害者など
㋺ 感染症患者・疾患罹患者など
㋩ 災害被害者など
⑩ その他
㋑ 外国人の差別など
㋺ 性的指向による差別など
㋩ インターネットによる差別など
3 人権侵犯の救済手続き
⑴ 法務省
法務省(法務局、地方法務局)は、人権侵犯事件の調査・被害救済・予防の事務を司っています。
⑵ 地方自治体
都道府県・市町村により、人権侵犯の救済に取り組んでいるところもあります。
⑶ 救済の申立
それぞれ、救済の申立を行うことが可能です。
・
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(中国陝西省西安市、シルクロードの起点「安定門」)
Ⅹ 宗教団体の法的備え
1 宗教団体に対する悪質な法的攻撃
2 法律家への宗教教育の必要性
3 宗教団体の内部統治と法的規範
4 宗教職・信者・職員への法的教育
5 宗教団体・宗教法人の運営上の注意
⑴ 宗教法人法の正しい理解
⑵ 土地・建築・都市計画・環境・道路・河川・港湾
⑶ 地域社会・近隣住民・地縁団体・地方自治体
⑷ 労働・社会保障・衛生・安全・防災・防犯
⑸ 財産管理・会計・税務・預貯金・キャッシュレス
⑹ 個人情報・秘密保護・電子環境・書類管理
⑺ 電気設備・ガス設備・水道設備・空気清浄機・汚水処理器
⑻
6 宗教活動を展開する上での注意
⑴ 肖像権・氏名権・パブリシティ権・著作権・商標権・意匠権
⑵ 人権保護・外国人・パワハラ・セクハラ・宗教ハラスメント
⑶ 騒音・人的交流・社会的節度・団体行動
⑷ 自動車・自転車・自動車運転・道路交通・道路使用
⑸ 食品衛生・保育・児童教育・社会教育・出版印刷・放送
⑹
7 参考文献
Carl F. Lansing『Legal Defense Handbook for Christians in Ministry』
(中国四川省楽山市「樂山大仏」)