宗教活動

宗教活動

Ⅰ 「信教の自由」の保障

 「信教の自由は、何人に対しても、これを保証する。」(日本国憲法20条1項前段)
 「憲法の保障する信教の自由は、すべての国政において尊重されなければならない。」(宗教法人法1条2項前段)
 「国及び公共団体の機関は、(中略)宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、信教の自由を妨げることがないよう特に留意しなければならない。」(宗教法人法84条)

 「信教の自由」の観点から、「宗教の教義」「宗教活動」「宗教団体」「宗教専門職」「宗教の信者」「宗教の信仰」などに関しては、法律上の規制はありませんし、行政機関の関与もありません。
 ただし、「何をしても許される」ということではありません。
 「宗教の教義」として何を主張しても構いませんが、具体的な行為・行動では、「宗教」という点からではなく、個々の行為という点について個別の法律の規定が適用されることがあります。
 たとえば、「右は聖、左は俗・汚れ」という教えは何ら問題ありませんが、その教えに基づく聖なる行動の実践としてであったとしても、日本の公道を自動車で右側通行することは許されません。

 

Ⅱ 宗教活動の基礎

 1 宗教の教義

 「宗教活動」の基礎は、何と言っても「宗教の教義」「宗教の教理」です。
 これがしっかりしていないと、永続的な宗教活動の展開が困難になりますし、何か問題が生じたときは存続の危機に陥ってしまいます。
 教派・宗派・教団などでの教義・教理の確立はもちろんですが、各個の宗教団体での確認も欠かせません。
 歴史ある宗教団体であれば、伝統・伝承・慣習・慣例によって保たれてきているのでしょうが、それを「文字化する」ことは、宗教団体のためにも、宗教職・信者のためにも、第三者のためにも有益です。
 今、世界は変わっています。変化の時代の中にあって、「確固たる宗教団体」を表明し、宗教活動を不変に展開するためにも重要です。
 「宗教の教義」についてのご相談をお受けします。

 2 宗教団体の設立

 「宗教団体」とは、神社・寺院・教会・修道院・布教所・道場など、具体的に宗教活動を展開する組織や施設のことをいいます。
 「宗教団体」は、世俗の団体とは異なり、社団や財団に限るものではなく、当該宗教の教義に基づき、種々のものが想定されます。
 宗教の教義に基づいて、具体的な宗教活動を、組織的・体系的に、一貫して、永続的に展開するには、明確な宗教団体の設立が必要です。
 宗教の特殊性はありますが、社会性の側面も重要です。できる限り、組織の内容や運営の透明性が求められますし、社会に向かっての広報体制、人事や財務の明確性、問題があった場合の責任体制、非常事態の危機管理体制など考慮しなければなりません。
 「宗教団体の設立」についてのご相談をお受けします。

 

Ⅲ 「宗教活動」と法律

 1 宗教団体の宗教活動

   「宗教活動」とは、宗教の教義をひろめ(布教・宣教・伝道など)、儀式行事を行い(祭典・礼拝・祈祷など)、および信者を教化育成することをいいます(宗教法人法2条)。
   「宗教活動」は、高度に「信教の自由」が求められることなので、「宗教団体」の主たる目的とされ(宗教法人法2条)、法律の規定に従う「宗教法人」の事業ではありません。
   「宗教法人」は、あくまでも「財産管理」など「世俗の事務」を行うことが目的です(宗教法人法1条1項、行政通達)。
   「宗教法人」は、「公益事業」および「収益事業(公益事業以外の事業)」を行うこともできます(宗教法人法6条)。

 2 宗教活動と法律

   「宗教活動」は、世俗から分離された「聖なる活動」ではありますが、「宗教活動」を構成する個々の行為には、各種の法律関係が絡んでくることもあります。
   宗教活動に絡む法律の規定には、当該行為を規制するものもあれば、宗教活動や宗教団体・宗教職・信者などを保護するためのものもあります。
   宗教活動に絡む法律上の規定には、国家や社会との関係にかかるものもあれば、個人や企業との関係にかかるものもあり、地球環境や人類の保護に関するものもあります。
   宗教団体が宗教活動を展開するに際しては、さまざまな法律関係があることを認識し、「法律の規制に下る」という意味ではなく、「法律を超える」という意味で、法律上の問題を精査しておくことは、有益ですし、必要です。
   宗教活動に絡む法律上の諸問題については、ご相談ください。

<以下工事中>

3 宗教活動への課税
   近年、「宗教活動」として宗教団体が行っている活動を「宗教活動とは認めない」として、当該行為に法人税を課するという事案が頻発しています。
   例えば「ペット供養」です。明らかに
税務当局は、「営利企業を保護するため」という理由で、

4 宗教活動の企画

5 宗教活動の支援

[公益事業]
1 宗教法人の公益事業
   宗教法人は「公益事業」を行うことができます。
   宗教法人が「公益事業」を行うには、法律上定められたいくつかの手続きを行う必要があります。

2 公益事業と課税
   法人税は、「宗教活動」であっても課されるほどですから、「公益事業」であっても非課税とは限りません。
   常識的には、「公益のための事業」なので「非課税が当然」なのですが、税務当局は、「営利企業を保護するため」という理由で、
   固定資産税は、宗教法人の境内地・境内建物には課されないのが原則ですが、税務当局は「宗教活動に供用する部分のみが非課税」として、「収益事業」に供用する部分はもちろん、「公益事業」に供用する部分も課税対象である、としています。

  ただし、公益事業を行うと、公益事業への供用部分に固定資産税が課されます。
  宗教法人として公益事業を行うことはお勧めできません。

3 防災・災害対策と課税
   宗教法人が国や地方公共団体の防災や災害対策に協力して、防災用品を保管し、食水を備蓄し、緊急避難用品を備えると、「宗教活動ではない」という理由で、固定資産税が課されることになります。
 営利企業の場合には、これらを行うと「減税」の対象となるのですが、宗教法人の場合には、「増税(非課税から課税への大増税)」となります。まったく理不尽です。
   この理不尽の根源は、固定資産税が非課税となる「宗教法人の本来の用」を「宗教活動に限る」とする解釈にあります。

4 子法人による公益事業
   宗教法人が、宗教法人としてではなく、宗教法人が全額または一部を出資する子法人によって公益事業を展開することも考えられます。
   社会福祉法人による社会福祉事業、学校法人による私立学校、医療法人による診療所・病院など
   一般財団法人(一般社団法人)による各種事業

NEWS
 「国法と宗教法人の自治規範との対立・調整に関する研究」の問題点

 ⑴ 「日本には教会法がない」?
  本研究は、「諸外国にある教会法が日本にはない」ということを前提としていますが、全く根拠のない「大嘘」です。
  当然のことながら、諸外国と同様、日本においても、「教会法」は厳然として機能しています。
  カトリック教会においては、諸外国と全く同一の、教皇令による「(カトリック)教会法」が適用されており、研究教育がされています。
  プロテスタント諸教会においては、「教会法」「教会憲法」「教憲教規」「教会規程」「政治基準」など、教派教団により呼称は種々ですが、制定・適用され、研究教育され、信徒・役員・教職者の研修対象とされています。
  ⑵ 一例として、日本長老教会の場合
  プロテスタント教会の一例として、小職の所属する日本長老教会の実例をあげます。
  「教会法」は次のように分類されています。
    神定法(広義の教会法)
     旧新両約聖書
     ウェストミンスター信仰規準(信仰告白、大教理問答、小教理問答)
     三原則(改革主義、長老政治、独立自治)
    人定法(狭義の教会法)
     憲 法  政治基準  憲法総則
                憲法各則
                憲法細則
          訓練規定
          礼拝指針
     大会法(憲法以外の大会法) 規準

     中会法  規程

     小会法
   教会法は、教理・信仰、入信・洗礼・信徒指導、教会形成、教会運営、教師・牧師制度、長老・執事制度、信徒制度、伝道・牧会・教育など、一切の活動の基礎となり、規範となります。
   教会法は、神学の一分野として、大学神学部・神学校で講義されており、教職者の資格審査の要件となり、長老任命の要件となり、信徒教育の一つとなっています。
 ⑶ 「日本には教会法がない」とする根拠
  なんと驚くことに、「日本に教会法がない」という根拠は、「諸外国では一般の本屋さんで売られている『教会法』という本が日本の本屋さんにはない」という一事なのです。
  全く研究者の資質に欠けますし、それを許可した学術振興会の審査そのものに疑念が持たれます。
  例えば、日本長老教会内では『日本長老教会法』という本が頒布されています(他の諸教団においても同様)が、一般の出版物として販売することはどの出版社にも引き受けられていません。
  カトリック・プロテスタント合わせて1%の基督教であり、世界では20万(日本でも150以上)にも別れているプロテスタントでは、経営的に見合わないからです。
 ⑷ 教会法は神学の分野である
  全く誤解されていますが、教会法は、公開された規則ではありません。
  あくまでも、信仰の対象である神仏の意思に従い、神仏の意思を行うために定められたものであり、世俗の諸団体のように、「人」が定めたものではなく、あくまでも「神仏」の意思の具現化なのです。
  当然ながら、基督教では神学の分野ですが、他の諸宗教においても同様に教学上の問題であるはずです。
  法律の解釈は万人誰でも可能であるとはいえ、法律学の素養を積んだ者に許されるのと同様に、聖書や経典を含め教会法もだれでの解釈可能ですが、神学や各宗教の教学を履修もしていない者に許されるものではありません。
 ⑸ 国法と対立するのが当然な教会法
  あえて逆らうわけではありませんが、教会法は、国法と対立することを厭いません。
  宗教は国家の統治下にあるわけではなく、教会法は国法の下にあるわけではないからです。
  とりわけ、日本伝来から近年まで、厳しい拷問や残虐な処刑など言語を絶する弾圧を受けてきた基督教においては、「国法との調整」などなどありえないことです。
  日本の宗教のほとんどは、国家や時の政権による差別や弾圧・没収、宗教統制などを経験してきましたから、「国法との調整」に承服できないのは当然です。
 ⑹ 「宗教法人の自治規範」とは?
  関係者の話を聞くと、当初、日本宗教連盟に本研究の協力要請があった際、「『宗教法人の自治規範』とは所轄庁に提出している規則のこと」との認識があり、「宗教法人の協力が得られなかったとしても、所轄庁が保有しているもので研究ができる」という含みがあったようです。
  しかし、時間をおいて考えてみれば、本研究で欲しいのは「教憲」「宗憲」「憲章」「宗制」など、

 ⑹ 「非営利法人の
  本研究は、******と言いますが、無理でしょう。
  他の法人とは異なり、宗教法人のみは、宗教団体を本体として有しています。宗教法人の代表者には宗教団体に関与する権限はありません。あくまでも宗教団体の宗教活動を支援するための世俗の事務を行うのが宗教法人なのです。