宗教活動

宗教活動

[目次]

     [「信教の自由」の保障][宗教活動の基礎][宗教活動と法律]
     [宗教活動と倫理][宗教とは][21世紀の宗教]

[トピックス]

     [「国法と宗教法人の自治規範との対立・調整に関する研究」の問題点]

Ⅰ 「信教の自由」の保障

 1 法律の規定

  ⑴ 日本国憲法20条1項前段

     「信教の自由は、何人に対しても、これを保証する。」

  ⑵ 宗教法人法1条2項前段

     「憲法の保障する信教の自由は、すべての国政において尊重されなければならない。」

  ⑶ 宗教法人法84条

     「国及び公共団体の機関は、(中略)宗教法人の宗教上の特性及び慣習を尊重し、
       信教の自由を妨げることがないよう特に留意しなければならない。」

 2 信教の自由

  ⑴ 法律上の規制

     「信教の自由」の観点から、
     「宗教の教義」「宗教活動」「宗教団体」「宗教専門職」「宗教の信者」「宗教の信仰」などに関しては、
     「法律上の規制」はありませんし、「行政機関の関与」もありません。

  ⑵ ただし、制約はある

     「何をしても許される」ということではありません。

  ⑶ 何を主張しても良い

     「宗教の教義」として何を主張しても構いません。
     ただし、
       具体的な行為・行動では、
       「宗教」という点からではなく、
       個々の行為については、個別の法律の規定が適用されることがあります。

  ⑷ たとえば、

     「右は聖、左は俗・汚れ」という教えには、何ら問題がありません。
     ただし、その教えに基づく聖なる行動の実践としてであっても、
      日本の公道を自動車で右側通行することは許されません。

Ⅱ 宗教活動の基礎

 1 宗教の教義

  ⑴ 「宗教活動」の基礎

     「宗教活動」の基礎は、
      何と言っても、「宗教の教義」「宗教の教理」です。

  ⑵ 「宗教の教義」「宗教の教理」の重要性

      「宗教の教義」「宗教の教理」がしっかりしていないと、
       永続的な宗教活動の展開が困難になりますし、
       何か問題が生じたときには、存続の危機に陥ってしまいます。

  ⑶ 宗教団体での確立

      「宗教の教義」「宗教の教理」は、
      教派・宗派・教団などでの確立はもちろん必須ですが、
      各個の宗教団体での確認も欠かせません。

  ⑷ 歴史ある宗教団体

      伝統・伝承・慣習・慣例によって保たれてきていますが、
      それを「文字化する」ことは、
      宗教団体のためにも、宗教職・信者のためにも、第三者のためにも有益です。

  ⑸ 今、世界は変わっています。

      「変化の時代」の中にあって、
      「確固たる宗教団体」を表明し、
      「宗教活動を不変」に展開するためにも重要です。

  ⑹ 相談受付

      当事務所は、「宗教の教義」についてのご相談をお受けします。

 2 宗教団体の設立

  ⑴ 宗教団体

     「宗教団体」とは、
     神社・寺院・教会・修道院・布教所・道場など、
     具体的に宗教活動を展開する組織や施設のことをいいます。

  ⑵ 世俗団体とは異なる

     「宗教団体」は、世俗の団体とは異なります。
     「社団」や「財団」に限るものではありません。
     「宗教の教義」に基づき、種々のものが想定されます。

  ⑶ 基礎となる「宗教の教義」

     「宗教の教義」に基づいて、
     具体的な宗教活動を、
     組織的・体系的に、一貫して、永続的に展開するには、
     明確な「宗教団体の設立」が必要です。

  ⑷ 宗教性と社会性

     宗教の特殊性はありますが、
     社会性の側面も重要です。

  ⑸ 求められる団体性

     できる限り、
     組織の内容や運営の透明性が求められますし、
     社会に向かっての広報体制、
     人事や財務の明確性、
     問題があった場合の責任体制、
     非常事態の危機管理体制などを、
     考慮しなければなりません。

  ⑹ 相談受付

     当事務所は、「宗教団体の設立」についてのご相談をお受けします。

 

Ⅲ 「宗教活動」と法律

 1 宗教団体の宗教活動

  ⑴ 「宗教活動」とは、

     ①  宗教の教義をひろめ(布教・宣教・伝道など)、
     ②  儀式行事を行い(祭典・礼拝・祈祷など)、
     ③  および信者を教化育成することをいいます(宗教法人法2条)。

  ⑵ 「宗教活動」は、

     高度に「信教の自由」が求められることなので、
     「宗教団体」の主たる目的とされ(宗教法人法2条)、
     法律の規定に従う「宗教法人」の事業ではありません。

  ⑶ 「宗教法人」は、

     あくまでも「財産管理」など「世俗の事務」を行うことが目的です(宗教法人法1条1項、行政通達)。

  ⑷ 「宗教法人」は、

     ①  「公益事業」
     ②  および「収益事業(公益事業以外の事業)」を
     行うこともできます(宗教法人法6条)。

 2 宗教活動と法律

  ⑴ 「宗教活動」は、

     世俗から分離された「聖なる活動」ではありますが、
     「宗教活動」を構成する個々の行為には、
     各種の法律関係が絡んでくることもあります。

  ⑵ 宗教活動に絡む法律の規定には、

     当該行為を規制するものもあれば、
     宗教活動や宗教団体・宗教職・信者などを保護するためのものもあります。

  ⑶ 宗教活動に絡む法律上の規定には、

     国家や社会との関係にかかるものもあれば、
     個人や企業との関係にかかるものもあり、
     地球環境や人類の保護に関するものもあります。

  ⑷ 宗教団体が宗教活動を展開するに際しては、

     さまざまな法律関係があることを認識し、
     「法律の規制に下る」という意味ではなく、
     「法律を超える」という意味で、
     法律上の問題を精査しておくことは、有益ですし、必要です。

  ⑸ 相談受付

     宗教活動に絡む法律上の諸問題については、当事務所にご相談ください。

Ⅳ 宗教活動と倫理

 1 求められる宗教活動の倫理

 2 求められる宗教職の倫理

 3 宗教職に必要な研修

  ⑴ 宗教職に求められる知識・経験

   ㋑ 宗教に関する十分な知識・経験があること……、
      宗教職に、当然に、求められる「宗教職の要件」です。
   ㋺ 必要な宗教に関する知識としては、
      自己の属する宗教については当然、
      他の宗教や宗教一般についても、
      現在の社会的な問題についても、
      求められています。  

  ⑵ 宗教職の「最大の倫理違反」「究極の義務違反」

   ㋑ 宗教職に求められる必要な知識を有しないこと……、
      それが、宗教職の「最大の倫理違反」「究極の義務違反」です。
   ㋺ 宗教職とは、
      「究極の真理」を説き、「永遠の生命」を呈示し、「人の生き方」を教えるなど
      を専門とする者ですから、
      多くを求められるのも当然です。
   ㋩ 宗教職が、
      「自分には知識がない」と言うことは、
      信者・求道者・来訪者などの期待を裏切ることになります。  

  ⑶ 宗教職に必要な研修

   ㋑ 専門職の研修
      弁護士・司法書士・行政書士・税理士など、
      多くの専門職では、業務研修や倫理研修が義務化されています。
   ㋺ 宗教職の研修
      残念ながら、宗教職の研修は、まだまだです。
      もっぱら、宗教職個人の見解と意識に基づいていますが、
      今後、宗教団体として、宗教職の研修を制度化していく必要があります。
   ㋩ 求められる宗教職の研修
    Ⓐ 宗教職の属する宗教に関する定期的な研修 
    Ⓑ 他の宗教や宗教一般に関する研修 
    Ⓒ 宗教に関する法律・社会現象・社会状況に関する研修 
    Ⓓ 宗教職の倫理に関する研修 
    Ⓔ 宗教活動や宗教団体の事務に関する研修

Ⅴ 「宗教」とは

 1 「宗教」の定義

  ⑴ 「百人の学者がいれば、百の定義がある」 
      文部科学省では、かつて、宗教の定義を集めましたが、」
      「定義できない」という結論に至りました。
  ⑵ 「主観的定義論」
      櫻井圀郎の主張は「宗教の主観的定義論」です。
      自ら「宗教」と主張するものを「宗教」とし、 
      自ら「宗教でない」というものを「宗教でない」とするものです。
  ⑶ 「永遠と時空」 
      とはいえ、何の根拠もないのではなく、基礎となるがあります。 
      それが「永遠」と「時空」です。
  ⑷ 「神仏と人間 」 
      「永遠の神仏」と「時空下の人間」との関係が「宗教」です。
  ⑸ 「宗教活動」 
      宗教活動の基本は、「礼拝」「伝道」「教育」です。
      「礼拝」とは、「永遠の神仏」への「信仰」「礼拝」「崇敬」の表明です。
      「伝道」とは、「時空下で悩める人間」の救済の呈示です。 
      「教育」とは、「永遠の神仏と時空下の人間」の関係を深めることです。

 2 宗教のアナログとデジタル

  ⑴ 宗教の教義・神仏の教理は、本来、デジタル的なものですが、
     人間は、それをアナログ的に理解し、説明してきました。 
  ⑵ 永遠の神仏を、時空下にある人間が理解するには、
     修行、悟り、体感など、アナログ的な方法によらざるをえません。 
  ⑶ 人間の苦悩、心情、心理、感情などを理解し、 
     愛、心、信、救いなどのメッセージは、アナログが適しています。     

 3 宗教のデジタル展開

  ⑴ 現代社会は、是非は別にして、
     アナログ的なものを軽視し、デジタル的なものを評価する傾向があります。 
  ⑵ それが、アナログ的に解された宗教を軽視・否定し、 
     神仏を否定し、人間性を喪失した、機械的な思考形態を生み出し、 
     苦悩と疲労に満ち、解決策を失った、辛い人生観を生み出しています。 
  ⑶ デジタル的な思考に深まった現代人に宗教を展開するには、
     宗教の教義・教理をデジタル的に説明し、
     修行・信仰・救拯などをデジタル感覚化する必要があります。    

 4 宗教活動のデジタル展開  

  ⑴ 現代社会のニーズに応じて、宗教活動のデジタル展開も進んでいます。
  ⑵ ただし、あくまでも「宗教活動」であり、「宗教」ではありません。
  ⑶ 「宗教活動」は(あくまでも一部であり、全部ではありませんが)、
     デジタル展開が可能ですが、「宗教」をデジタル化することはできません。
  ⑷ 宗教活動の一部は、ウェブで展開することも可能ですが、
     それは「宗教」そのものではありません。
  ⑸ その点の認識と判断は欠かせません。

 5 架空のウェブ世界と現実世界の宗教  

  ⑴ コンピュータによって作り出された世界は、「架空・仮想の世界」ですが、
     「宗教」は、現実の世界です。
  ⑵ 「宗教」と「非宗教」との判断基準は、「仮想か、現実か」です。

Ⅵ 21世紀の宗教

 1 宗教の危機・違法不法な業者

  ⑴ 過疎地・限界集落 
      人口の高齢化や住民の減少により、 
      伝統的な神社・寺院・教会などの存続が危ぶまれています。 
  ⑵ 後継者難 
      あらゆる職種で後継者難が叫ばれていますが、 
      宮司・住職・牧師など宗教専門職の後継者難も深刻です。  
  ⑶ 業者の介入 
      宮司・住職・牧師などの地位を売買し、 
      宗教法人を売買する、違法不法な業者が介入してきます。

 2 宗教意識の希薄化・宗教の世俗化

  ⑴ 無神論の拡大 
      神仏への畏れが薄れ、 
      人間中心の考え方が広がっています。 
  ⑵ 葬儀・埋葬 
      人間を物と同視する唯物感が蔓延し、 
      個人の葬儀や埋葬を否定する人が増えています。
  ⑶ 宗教の商業化  
      宗教活動を商品とし、金銭で販売する業者が現れ、 
      人間の心や信仰を欠いた、金銭取引の対象とされています。

 3 宗教の転換・新しい展開

  ⑴ 宗教の転換 
      伝統的な宗教活動や宗教団体の運営に見直しが迫られています。
      社会思潮に流されるのではなく、宗教の本義を貫く、宗教の転換が必要とされています。 
  ⑵ 新しい展開 
      今の時代に必要な宗教の展開が求められています。
      ただし、世俗化された社会に迎合し、信仰や心を捨てた経済活動に堕してはいけません。
      あくまでも、神仏の御意や教義教理の本旨を貫く、宗教の本義を展開しなければなりません。
  ⑶ 当事務所では、
      宗教団体の現在の状況を宗教の本旨に従って診断し、吟味検討します。
      宗教団体の近未来を見越した、組織制度の改革案を提示します。
      宗教の本来の姿を再構築することについて、相談・助言・企画・協力します。

<Topics>

  「国法と宗教法人の自治規範との対立・調整に関する研究」の問題点

 ⑴ 「日本には教会法がない」?

  本研究は、「諸外国にある教会法が日本にはない」ということを前提としていますが、全く根拠のない「大嘘」です。
  当然のことながら、諸外国と同様、日本においても、「教会法」は厳然として機能しています。
  カトリック教会においては、諸外国と全く同一の、教皇令による「(カトリック)教会法」が適用されており、研究教育がされています。
  プロテスタント諸教会においては、「教会法」「教会憲法」「教憲教規」「教会規程」「政治基準」など、教派教団により呼称は種々ですが、制定・適用され、研究教育され、信徒・役員・教職者の研修対象とされています。

  ⑵ 一例として、日本長老教会の場合

  プロテスタント教会の一例として、小職の所属する日本長老教会の実例をあげます。
  「日本長老教会法」は次のように分類されています。
    神定法(広義の教会法)
     旧新両約聖書
     ウェストミンスター信仰規準(信仰告白、大教理問答、小教理問答)
     三原則(改革主義、長老政治、独立自治)
    人定法(狭義の教会法)
     憲 法  政治基準  憲法総則
                憲法各則
                憲法細則
          訓練規定
          礼拝指針
     大会法(憲法以外の大会法) 規準

     中会法  規程

     小会法
   教会法は、教理・信仰、入信・洗礼・信徒指導、教会形成、教会運営、教師・牧師制度、長老・執事制度、信徒制度、伝道・牧会・教育など、一切の活動の基礎となり、規範となります。
   教会法は、神学の一分野として、大学神学部・神学校で講義されており、教職者の資格審査の要件となり、長老任命の要件となり、信徒教育の一つとなっています。

 ⑶ 「日本には教会法がない」とする根拠

  なんと驚くことに、「日本に教会法がない」という根拠は、「諸外国では一般の本屋さんで売られている『教会法』という本が日本の本屋さんにはない」という一事なのです。
  全く研究者の資質に欠けますし、それを許可した学術振興会の審査そのものに疑念が持たれます。
  例えば、日本長老教会内では『日本長老教会法』という本が頒布されています(他の諸教団においても同様)が、一般の出版物として販売することはどの出版社にも引き受けられていません。
  カトリック・プロテスタント合わせて1%の基督教であり、世界では20万(日本でも150以上)にも別れているプロテスタントでは、経営的に見合わないからです。

 ⑷ 教会法は神学の分野である

  全く誤解されていますが、教会法は、公開された規則ではありません。
  あくまでも、信仰の対象である神仏の意思に従い、神仏の意思を行うために定められたものであり、世俗の諸団体のように、「人」が定めたものではなく、あくまでも「神仏」の意思の具現化なのです。
  当然ながら、基督教では神学の分野ですが、他の諸宗教においても同様に教学上の問題であるはずです。
  法律の解釈は万人誰でも可能であるとはいえ、法律学の素養を積んだ者に許されるのと同様に、聖書や経典を含め教会法もだれでの解釈可能ですが、神学や各宗教の教学を履修もしていない者に許されるものではありません。

 ⑸ 国法と対立するのが当然な教会法

  あえて逆らうわけではありませんが、教会法は、国法と対立することを厭いません。
  宗教は国家の統治下にあるわけではなく、教会法は国法の下にあるわけではないからです。
  とりわけ、日本伝来から近年まで、厳しい拷問や残虐な処刑など言語を絶する弾圧を受けてきた基督教においては、「国法との調整」などなどありえないことです。
  日本の宗教のほとんどは、国家や時の政権による差別や弾圧・没収、宗教統制などを経験してきましたから、「国法との調整」に承服できないのは当然です。

 ⑹ 「宗教法人の自治規範」とは?

  関係者の話を聞くと、当初、日本宗教連盟に本研究の協力要請があった際、「『宗教法人の自治規範』とは所轄庁に提出している規則のこと」との認識があり、「宗教法人の協力が得られなかったとしても、所轄庁が保有しているもので研究ができる」という含みがあったようです。

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