権利義務

権利義務

I 規約・規則の起案・作成

 1 宗教団体

    神社基範・寺院基範・教会基範など、宗教団体の基本規約
    神社憲章・教派憲章・宗門宗制・教会憲法など、包括宗教団体の基本規約
    神職・僧侶・教師など、宗教専門職の試験検定・任命解任などの規則
    その他、宗教団体の運営に関する様々な規則

 2 附属施設

    附属の施設の設置・変更に関する規則
    例えば、研修センター、実践センター、伝道センター、放送センター
    教職会館、信徒会館、研究所、図書館、博物館、美術館など

 3 宗教活動

    宗教活動(教義布教・儀式行事・教化育成)に関する規則
    例えば、宣教伝道、宣教協力、祭典礼拝、入信許可、教職志願
    地鎮祭、葬儀葬祭、結婚式、除霊供養、埋葬収蔵、祈祷祈願など

 4 公益事業

    公益事業に関する規則
    例えば、社会教育、幼児教育、幼児保育、老人福祉、健康管理
    体育食育、語学教育、伝統文化、害虫駆除、病者福祉、図書新聞
    放送出版、消費者保護、犯罪被害者保護、犯罪更正など

 5 収益事業

    収益事業に関する規則
    例えば、駐車場業、飲食店業、旅館ホテル業、出版業、運送業
    物品販売業、学習塾業、コンピュータ業、斡旋仲介業など

 

Ⅱ 契約書の起案・作成

 1 契約書の重要性

    「日本人の法律嫌い」「日本人の契約嫌い」は、法社会学では世界的に有名ですが、
    世俗の世界での約束事(契約)は、文字に落として固めておくことが重要です。
    そうすることで、契約の意識が判然となり、自分の権利や義務が明確になり、
    予定したことを円滑に実現し、非ぬ争いを未然に防ぐことができます。

 2 既成の契約書に頼らないこと

     契約書を作る際に重要なことは、既成の契約書を利用しないことです。
    既成の内容に縛られては、自分たちの本当にやりたいことができないからです。
    思わぬ落し穴があったり、約束とは違うことが起こるおそれがあります。
    十分に事前の相談と協議を重ねて、相応しい契約書を作ることが肝心です。

 

 3 公正証書

   ⑴ 「公正証書」とは
     厳格な本人確認と本人の意思確認の上で、本人の署名と印鑑証明書で証明された印鑑を押捺して、公証人によって作成される公文書としての契約書のことです。そのため、契約書の記載内容に違法のものや無効のものがあったり、事後的に裁判上、否認されることはほとんどありません

   ⑵ 原本の保管
     通常の契約書は2通作成し、当事者双方が各1通(それぞれが正本)を保有します。公正証書は正本は1通で、公証人役場に20年間保管され、当事者にはその謄本が交付されます。したがって、契約書を紛失するとか、契約書が改竄されたり、汚損・破損・破棄・盗難されたりの心配がありません。当然、保管期間中は、いつでも謄本の再交付を受けることが可能です。

   ⑶ 公正証書の効力
     金銭債務に関する公正証書には「強制執行受諾約款」を付することができます。強制執行受諾約款が付された公正証書の場合には、裁判を提起して判決などを得る必要がなく、直ちに強制執行を行うことができます。

   ⑷ 公正証書の効果
     上記のような公正証書の性格や効力などから、当事者に契約条項を遵守し、契約内容を履行しようとする意識が生じます。契約書を交わすのは契約違反や契約不履行があった場合の備えですから、自発的な履行が確保されればそれに越したことはありません。公正証書の効果といえましょう。

   ⑸ 公正証書の作成
     当事務所では、宗教活動や宗教団体に適合した公正証書を作るための原案を起案するなど、公正証書の作成嘱託のお手伝いをいたします。

 

 4 確定日付

   ⑴ 法律上重要な「日付」
     契約書、覚書、誓約書、念書、報告書、申請書など、あらゆる書類には「日付」が必要です。 日付によって事理の前後を決することになりますから、書類の日付は法律上きわめて重要です。

   ⑵ 不確定な「日付」
     法律上、公務員が職務上作成する公文書に付された「日付」は「確定日付」と認められますが、契約書など私文書の日付は、容易に偽装することが可能なので「確定日付」とは認められません。

   ⑶ 「確定日付」の付与
     公証人の作成した「公正証書」の場合は、その日付が「確定日付」とされます。私文書でも、内容証明郵便として郵便認証司が認証したときには、その日付が「確定日付」とされます。その他の私文書一般に「確定日付」を付するには、公証人役場で私文書に日付印章を押捺してもらうことで、「確定日付の付与」といいます。

   ⑷ 「確定日付の付与」嘱託
     当事務所では、宗教団体の様々な書類などに「確定日付の付与」を受けるお手伝いをいたします。

 

Ⅲ 個人情報・プライバシーなど

 1 個人情報の保護

    宗教団体や宗教法人にも、法律上の義務ではありませんが、個人情報の保護が求められています。
    法律上の義務がないとはいえ、宗教団体などにも、「個人情報取扱規程」を定めておくことが重要です。
    個人情報の取得の際、その後の処理、公示の手順など、ご相談ください。

 2 要配慮個人情報

    宗教団体や宗教職は、要配慮個人情報を取り扱う機会が多いので、注意が必要です。
    法律上の義務と宗教団体の姿勢とは別問題ですから、何をどのように扱うか、あらかじめ考えておくことは重要です。

 3 プライバシーの保護

    宗教団体や宗教職は、信者などのプライバシーを取り扱う機会が多いので、注意が必要です。
    プライバシーを漏洩することは、刑法上の「秘密漏示罪」に当たります。
    何をどのように扱えばよいのか、あらかじめ考えておくことが必要です。

 4 肖像権・氏名権の保護

    宗教団体や宗教施設では、信者や参詣者の肖像権・氏名権に注意が必要です。
    肖像権・氏名権は、法律には規定がありませんが、判例で認められた権利です。

 5 パブリシティ権

    著名人の肖像や氏名には「顧客誘引力」があり、特別の権利が認められています。
    「パブリシティ権」という権利で、無断で使用すると権利侵害となります。

 6 ハラスメントの防止

    世俗団体と同様、宗教団体においても、次のようなハラスメント対策が必要です。
    セクシャル・ハラスメント(セクハラ)(性差別や性的なことに関する問題)
    パワー・ハラスメント(パワハラ)(支配従属関係など力関係のあるところでの問題)
    マタニティー・ハラスメント(マタハラ)(妊娠や出産・育児などに関する問題)

 

Ⅳ 著作権

 1 「著作権」とは

  ⑴ 「著作物」とは

      著作物とは、文芸・学術・美術・音楽の世界の創作物をいいます。
      ただし、思想や感情を創作的に表現したもの、つまり「創作」に限ります。

  ⑵ 著作物の種類

     言語の著作物  小説、脚本、論文、講演、講義、ホームページなど
     音楽の著作物  作詞・作曲・編曲などをしたもの
     舞踊の著作物  舞踊・無言劇など
     美術の著作物  絵画、版画、彫刻などの美術品
     建築の著作物  家屋・ビル・塔などの建築物
     図形の著作物  地図や学術的な図面・図表・模型など
     映画の著作物  映画・テレビ映画など
     写真の著作物  写真
     プログラムの著作物  コンピュータプログラム

  ⑶ 「著作権」とは

      著作物に関して、独占的に有する権利のこと。
      著作権の内容は下記の通り。

  ⑷ 著作権の発生

     著作権は「創作」によって発生し、何の手続も要りません。

  ⑸ 著作権の登録

     著作権登録をすると、権利関係をはっきりとさせることができます。

 2 著作者の権利

  ⑴ 「著作者の権利」=「著作者人格権」+「著作権」

  ⑵ 「著作者人格権」

     ① 公 表 権:  自己の著作物を公表するか公表しない権利
     ② 氏名表示権:  自己の氏名に関する次のいずれかの権利
                ㋑ 実名(本名)を表示する権利
                ㋺ 変名(筆名・雅号など)を表示する権利
                ㋩ 無名とする(氏名を表示しない)権利
     ③ 同一性保持権:  著作物とその題号の同一性を保持する権利
                無断で題名や内容を変更されない権利
  ⑶ 「著作権」

     ① 複 製 権: 著作物を複製する権利
     ② 上 演 権: 著作物を上演する権利
     ③ 演 奏 権: 著作物を演奏する権利
     ④ 上 映 権: 著作物を上映する権利
     ⑤ 公衆送信権: 著作物を公衆送信する権利
     ⑥ 口 述 権: 言語の著作物を口述する権利
     ⑦ 展 示 権: 美術・写真の著作物を展示する権利
     ⑧ 頒 布 権: 映画の著作物の複製物を頒布する権利
     ⑨ 譲 渡 権: 著作物の原作品・複製物の譲渡により公衆に提供する権利
     ⑩ 貸 与 権: 著作物の原作品・複製物の貸与により公衆に提供する権利
     11     翻訳翻案権: 著作物を翻訳・編曲・変形・脚色・映画化・その他の翻案をする権利

 3 実演家の権利

  ⑴ 「実演家」とは

     「実演」とは、著作物を演劇的に舞い、演奏し、歌い、口演し、朗詠し、その他演じること

     「実演家」とは、俳優、舞踊家、演奏家、歌手など、実演を行う者、実演の指揮者・演出者

  ⑵ 「実演家の権利」=「実演家人格権」+「著作隣接権」

  ⑶ 「実演家人格権」

    ① 氏 名 表 示 権: 自己の氏名に関する次のいずれかの権利
               ㋑ 実名(本名)を表示する権利
               ㋺ 変名(芸名・雅号など)を表示する権利
               ㋩ 無名とする(氏名を表示しない)権利
    ② 同一性保持権: 実演の同一性を保持する権利

  ⑷ 「著作隣接権」

    ① 録音・録画権: 実演を録音・録画する権利
    ② 放   送   権: 実演を放送・有線放送する権利
    ③ 送信可能化権: 実演を送信可能化する権利
    ④ 譲   渡   権: 実演の録音物・録画物の譲渡により公衆に提供する権利
    ⑤ 貸   与   権: 実演の録音物・録画物の貸与により公衆に提供する権利

 

Ⅴ その他

   遺言、遺言執行、死後事務、民事信託、相続手続など、ご相談ください。
   広告・CM、放送出版、芸術芸能など、ご相談ください。