(グアムの教会)
このページでは、宗教の信仰者としての個人の生活に関係する、宗教上および法律上のさまざまな手続きや問題について考えます。
このページの内容:
・ 0 個人の信仰生活
・ 1 私生活と信仰
・ 2 家庭生活と信仰
・ 3 社会生活と信仰
・ 4 学校生活と信仰
・ 5 事業経営と信仰
・ Ⅰ 個人の家庭生活
・ 0 成年
・ 1 婚姻
・ 2 親子
・ 3 介護
・ 4 国籍
・ 5 戸籍・住民登録
・ 6 外国人
・ 7 国際結婚
・ Ⅱ 個人の職業生活
・ 1 労働関係
・ 2 社会保険
・ 3 労働組合
・ 4 専門教育
・ 5 税務会計
・ Ⅲ 個人の事業経営
・ 1 起業立案
・ 2 法人設立
・ 3 経営診断
・ 4 社員教育
・ 5 事業承継
・ Ⅳ 個人の社会生活
・ 1 消費者保護
・ 2 消費者契約
・ 3 消費者訴訟
・ 4 学校教育
・ 5 地縁団体
・ 6 医療制度
・ 7 医療支援
・ 8 社会保険
・ 9 生活保護
・ Ⅴ 個人の権利義務
・ 1 各種の契約
・ 2 不動産の所有
・ 3 近隣の関係
・ 4 立法への関与
・ 5 行政との関係
・ 6 紛争の解決
・ 7 宗教との関係
・ 8 ペットの飼養
・ 9 個人の性別(LGBTを含む)
・ 10 補助・保佐・成年後見
・ Ⅵ 個人の事件事故
・ 1 契約の違反
・ 2 不法行為
・ 3 犯罪行為・違法行為
・ 4 振り込め詐欺などの被害予防
・ 5 不正行為・不当行為
・ 6 ハラスメント
・ Ⅶ 個人の死後対策
・ 0 「終活」とは
・ 1 遺言
・ 2 遺産相続(資産・負債の承継)
・ 3 祭祀継承(祭祀用財産の承継)
・ 4 宗教団体
・ 5 信仰継承
・ 6 葬儀埋葬
・ 7 相続人の不在(相続財産法人)
・ Ⅷ 感染症下の信仰生活
・ 1 宗教の信仰と感染症の予防
・ 2 社会に向けての啓蒙
・ 3 社会における信仰者
・ トピックス:
・ 新型コロナウイルス感染症関連の公的補助
・ 個人生活に関する論文
・ 自己教化の生き方
0 個人の信仰生活
1 私生活と信仰
㋑ 個人の生活に信仰は重要です。
㋺ 信仰とは、神仏を自己の生活の根本に置くことです。
㋩ 信仰とは、神仏の法を自己の生活の基準とすることです。
㋥ 無信仰の生活は、不規則であり、不安定です。
㋭ 無信仰は、神(かみ)の代わりに金(かね)を基準とすることです。
㋬ 金を基準とする生活は、無限のマネーゲームに陥ります。
2 家庭生活と信仰
*「宗教の信仰等に関係する児童虐待への対応に関するQ&A」
(https://www.mhlw.go.jp/content/221227_01.pdf)
(https://www.mhlw.go.jp/content/221227_02.pdf)
(https://www.mhlw.go.jp/content/221227_03.pdf)
3 社会生活と信仰
4 学校生活と信仰
5 事業経営と信仰
Ⅰ 個人の家族生活
0 成年
㋑ 2022年(令和4年)3月31日まで
・ 「年齢満20歳」になったときに成年とされます。
㋺ 2022年(令和4年)4月1日
・ 「年齢満18歳以上満20歳未満の者」が成年とされます。
㋩ 2022年(令和4年)4月2日以降
・ 「年齢満18歳」になったときに成年とされます。
1 婚姻
⑴ 婚約
㋑ 婚約の無効
・ Ⓐ 「両性の合意のみに基づく婚姻の成立」(憲法24条)を旨とします。
・ Ⓑ したがって、
・ 「婚姻の強制」となる婚約は法的に無効であると考えられます。
・ Ⓒ そうでないと、
・ 婚姻したくないのに、無理やり婚姻を強制されることになるからです。
・ いわば奴隷や人身売買につながるからです。
㋺ 「結納」の効力
・ Ⓐ 「結納」は、日本の伝統的な「家と家の契り」を意味します。
・ Ⓑ 慣習によるところが大です。
・ Ⓒ 「贈与」とする判決もあります。
・ Ⓓ 不当な破棄の返還義務を認めた判例もあります。
・ Ⓔ 現代的には、
・ 当事者間の合意(婚約の意思表示)を示す形と考えられます。
・ Ⓕ 当事者間の婚約を、家族的に認証する儀式とも考えられます。
㋩ 「婚約式」の効果
・ Ⓐ 「婚約式」は「結婚式」を前提として行うものを言います。
・ Ⓑ 「婚約式」は、当事者が結婚の意思を誓約することです。
・ Ⓒ 公に婚姻の意思を表示したことで、拘束されると考えられます。
・ Ⓓ 神の前に行った婚約式は、神と両当事者間の三者契約となります。
㋥ 婚約の破棄
・ Ⓐ 「婚約は無効」であるから、
・ 「婚約の破棄」は、当事者が自由にできると考えられています。
・ Ⓑ しかし、
・ 不当な婚約の破棄には、損害賠償責任が伴うことがあります。
・ Ⓒ 婚姻は両性の合意のみに基づきますから、
・ 合意(婚姻の意思)のない婚姻は強制されません。
・ Ⓓ とはいえ、
・ 自由意思で合意した婚約を勝手に破棄してなにもないわけではありません。
・ Ⓔ 婚約が契約である以上、
・ 契約破棄に伴う責任はあると考えられます。
・ 「結納」「婚約式」などの費用の賠償も伴います。
⑵ 結婚
㋑ 「結婚」とは、
・ Ⓐ 「婚姻」関係を成立させること
・ Ⓑ 「婚姻」関係を開始することです。
㋺ 「結婚」は、
・ Ⓐ 外国では、「結婚式」の挙行を求めている国が多くありますが、
・ Ⓑ 日本では、「婚姻届」を提出することで成立します。
㋩ 「婚姻届」は、
・ Ⓐ 当事者双方が署名押印し、
・ Ⓑ 証人2人の署名押印を得て、
・ Ⓒ 市役所・区役所・町村役場の住民課などの窓口に提出します。
・ Ⓓ 添付書類として、双方の戸籍謄本が必要です。
㋥ 「婚姻の成立」は、
・ Ⓐ 「婚姻届」の受理された日になります。
・ Ⓑ 希望の日があれば、その日に提出する必要があります。
・ Ⓒ 休日や時間外でも、受付はされます。
㋭ 日本では、「結婚証明書」はありません。
・ Ⓐ 外国では、「結婚証明書」が重要な書類の一つです。
・ Ⓐ 日本では、「婚姻届」で婚姻は成立するからです。
㋬ 日本では、「婚姻届受理証明書」が、結婚の証明書になります。
・ Ⓐ 「婚姻届受理証明書」は、「婚姻届」提出の際に申請して交付されます。
・ Ⓑ 「婚姻届」を提出してから、後日になって申請しても交付されません。
㋣ 「婚姻届受理証明書」には、
・ Ⓐ 単なる事務的な受理証明書(普通の証明書)と
・ Ⓑ 額縁に入れて掲示できるタイプの「豪華な証明書」があります。
・ Ⓒ 豪華な証明書では、婚姻成立の旨も書かれています。
⑶ 婚姻
㋑ 婚姻の要件
・ Ⓐ 婚姻適齢
・ ⓐ 2022年3月31日までは、男は18歳、女は16歳。
・ ⓑ 2022年4月1日からは、男女とも18歳。
・ Ⓑ 重婚の禁止
・ Ⓒ 再婚禁止期間 女は前婚後100日(旧6ヶ月)。
・ Ⓓ 近親婚の禁止
・ ⓐ 直結血族間
・ ⓑ 3親等内の傍系血族間
・ ⓒ 直系姻族間
・ ⓓ 養親子間
・ Ⓔ 未成年者の父母の同意
㋺ 婚姻の効力
・ Ⓐ 夫婦の氏 夫または妻の氏
・ Ⓑ 復氏
・ ⓐ 配偶者が死亡したときは、
・ ⓑ 改氏した生存配偶者は
・ ⓒ 婚姻前の氏に服することができます(任意)。
・ Ⓒ 同居の義務
・ Ⓓ 互いに協力・扶助する義務
・ Ⓔ 未成年で婚姻すると、成年とみなされます(2022年3月31日まで)。
・ Ⓕ 夫婦間の契約はいつでも一方から取り消しできます。
・ Ⓖ 配偶者が死亡したとき、生存配偶者は常に相続人となります。
⑷ 離婚
㋑ 「離婚」とは、
・ Ⓐ 「婚姻」関係を終わらせることです。
㋺ 「離婚」には、
・ Ⓐ 「協議上の離婚(協議離婚)」と、
・ Ⓑ 「裁判上の離婚(裁判離婚)」があります。
㋩ 「協議離婚」は、
・ Ⓐ 夫婦の協議だけで、成立します。
㋥ 「裁判離婚」は、
・ Ⓐ 次の5つの場合に限り提起できます。
・ ⓐ 配偶者に不貞な行為があったとき
・ ⓑ 配偶者から悪意で遺棄されたとき
・ ⓒ 配偶者の生死が3年以上明らかでないとき(生死不明)
・ ⓓ 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
・ ⓔ その他婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき
・ Ⓑ これらの事由があっても、離婚が認められないこともあります。
㋩ 「離婚」は、
・ Ⓐ 「離婚届」を提出することで成立します。
㋥ 「離婚届」は、
・ Ⓐ 協議離婚の場合は、夫婦2人の署名押印をして、
・ Ⓑ 裁判離婚の場合は、申立人(夫婦のどちらか1人)が署名押印して、
・ Ⓒ 市役所・区役所・町村役場の住民課などの窓口に提出します。
・ Ⓔ 添付書類として、戸籍謄本などが必要です。
⑸ 不倫
㋑ 「姦通」とは
・ Ⓐ 「姦通」とは、
・ 配偶者のある者が配偶者以外の者と性交関係を持つことです。
・ Ⓑ 旧刑法には、
・ ⓐ 「有夫ノ婦姦通シタルトキハ二年以下ノ懲役ニ処ス」
・ という規定がありました(第183条)。
・ ⓑ 「夫のある妻が姦通したとき」の刑罰でした。
・ ⓒ 同条には「其ノ相姦シタル者亦同シ」と付されています。
・ ⓓ つまり、姦通の相手方である男性も同罪とされていました。
・ ⓔ しかし、妻のある夫が姦通しても無罪でした。
・ Ⓒ 現行刑法では、姦通罪は廃止され、処罰の対象外とされいます。
㋺ 「不倫」とは
・ Ⓐ 現在社会では、
・ 「姦通」に代えて、「不倫」という言葉が用いられています。
・ Ⓑ 「不倫」とは、
・ ⓐ 「倫理に反する」「道に反する」「道徳に反する」という意味です。
・ ⓑ 現実的には、
・ 「配偶者のある者が配偶者以外の者と性交関係をもつこと」
・ 「配偶者でない者が配偶者のある者と性交関係をもつこと」
・ を意味しています。
・ Ⓒ 「不倫」の法的意味は、
・ ⓐ 夫の不倫 夫の妻に対する不法行為
・ 不倫の相手方の妻に対する不法行為
・ ⓑ 妻の不倫 妻の夫に対する不法行為
・ 不倫の相手方の夫に対する不法行為
・ Ⓓ 「不倫」の被害者は、
・ ⓐ 夫の不倫の場合 妻は夫に慰謝料請求
・ 妻は夫に離婚請求
・ 妻は夫の不倫の相手方に慰謝料請求
・ ⓑ 妻の不倫の場合 夫は妻に慰謝料請求
・ 夫は妻に離婚請求
・ 夫は妻の不倫の相手方に慰謝料請求
・ Ⓔ 「不倫」は必ずバレる
・ ⓐ 夫婦は、夫婦間に生じる違和を感じます。
・ ⓑ 夫または妻の夫婦としての直感もあります。
・ ⓒ 3人の人間が関係する以上、秘密を通すのは困難です。
・
2 親子
⑴ 実親子関係
① 「実子」とは、
・ ㋑ 両親と血縁関係で結ばれた子のことです。
・ ㋺ 両親が婚姻中でも、離婚中でも、同じです。
② 「嫡出子」とは、
・ ㋑ 両親が婚姻中に生まれた子のことです。
・ ㋺ それ以外の子は「非嫡出子」といいます。
③ 嫡出の推定
・ ㋑ 妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定されます。
・ ㋺ 母と子の関係は、出産の事実によって明らかです。
④ 嫡出の否認
・ ㋑ 夫は、夫の子と推定された子の嫡出を否認することができます。
・ ㋺ 嫡出を否認するには、家庭裁判所に訴えを提起しなければなりません。
・ ㋩ 嫡出否認の訴えは、子の出生を知った時から1年以内に提起しなければなりません。
⑤ 嫡出の承認
・ ㋑ 夫は、子の出生後、嫡出を承認することができます。
・ ㋺ 嫡出を承認した夫は、子の嫡出を否認できなくなります。
⑥ 認知
・ ㋑ 非嫡出子は、その父または母が認知できます。
・ ㋺ 認知は、市区町村役場に「認知届」を提出することによって行います。
・ ㋩ 子の成年後に認知するには、本人の承諾が必要です。
・ ㋥ 認知は、出生の時に遡って効力を生じます。
⑴-2 生殖補助医療による特例
① 生殖補助医療特例法
・ ㋑ 「生殖補助医療の提供等及びこれにより出生した子の親子関係に関する民法の特例に関する法律」が令和3年(2021年)3月31日から施行されています。
・ ㋺ 「生殖補助医療」とは
・ Ⓐ 人工授精
・ Ⓑ 体外受精
・ Ⓒ 体外受精胚移植
・ を用いた医療をいいます。
・ ㋩ 「人工授精」とは、男性から提供され処置された精子を女性の生殖器に注入することをいいます。
・ ㋥ 「体外受精」とは、女性の卵巣から採取され処置された未受精卵を男性から提供され処置された生死により受精させることをいいます。
・ ㋭ 「体外受精胚移植」とは、体外受精により生じた胚を女性の子宮に移植することをいいます。
② 生殖補助医療により出生した子の親子関係の特例
・ ㋑ 他人の精子による子
・ Ⓐ 妻が、夫の同意を得て、夫以外の男性の精子により懐胎
・ Ⓑ 夫は、その子の嫡出を否定することはできません。
・ Ⓒ したがって、その子は、夫婦の嫡出子となります。
・ ㋺ 他人の卵子による子
・ Ⓐ 女性が自己以外の女性の卵子を用いて懐胎
・ Ⓑ 出産した女性が、その子の母とされます。
・ Ⓒ したがって、その子は、夫婦の嫡出子となります。
③ 医療によらない第三者の精子提供
・ ㋑ 「妊活」支援
・ Ⓐ 夫の原因で妻が妊娠できない夫婦のための支援として
・ Ⓑ 第三者の精子を提供する仕組みがあります。
・ Ⓒ 「精子バンク」「精子ボランティア」「精子提供アプリ」など
・ ㋺ 第三者の精子提供を受けて妊娠した場合
・ Ⓐ 夫が嫡出否認しなければ、夫婦の子となります。
・ Ⓑ 夫は、その子の嫡出を否認することができます。
・ Ⓒ その子は、精子提供者に認知を請求することができます。
・ ㋩ 子による裁判で、
・ Ⓐ 戸籍上の父子関係を否定し、精子提供者との父子関係を認定
・ Ⓑ DNA鑑定で父子関係が明らかになれば、
・ Ⓒ 精子提供者に扶養義務が生じます。
・ Ⓓ 子は精子提供者の推定相続人となります。
⑵ 養子縁組
① 養子縁組
・ ㋑ 養子縁組は、養親と養子との契約です。
・ ㋺ 養親となるには、成年でなければなりません。
・ ㋩ 養子となる者が15歳未満のときは、法定代理人が承諾します。
② 養親の要件
・ ㋑ 成年であること
・ ㋺ 未成年者を養子とする縁組は、養親が婚姻中の場合は配偶者と共にすること
・ Ⓐ 配偶者の嫡出子を養子とする場合を除く
・ Ⓑ 配偶者が意思表示できない場合を除く
・ ㋩ 縁組は、養親が婚姻中の場合は配偶者の承諾を得ること
・ Ⓐ 配偶者と共にする場合を除く
・ Ⓑ 配偶者が意思表示できない場合を除く
③ 養子の要件
・ ㋑ 養親の尊属でないこと
・ ㋺ 養親より年長者でないこと
・ ㋩ 婚姻中の場合は配偶者の承諾を得ること
・ Ⓐ 配偶者と共にする場合を除く
・ Ⓑ 配偶者が意思表示できない場合を除く
・ ㋥ 養子が未成年の場合は、家庭裁判所の許可を得ること
⑶ 特別養子縁組
① 「特別養子縁組」とは、
・ ㋑ 実方の血族との親族関係が終了する養子縁組です。
・ ㋺ 実親やその親・兄弟姉妹・子などとの親族関係を断絶する制度です。
・ ㋩ 養子となる子の利益のために定められた制度です。
② 特別養子縁組の要件
・ ㋑ 家庭裁判所の審判
・ ㋺ 配偶者のある養親が共に養親になる
・ ㋩ 養親が25歳以上
・ ㋥ 養子が6歳未満
・ ㋭ 子の利益のための特別の必要性
・ Ⓐ 父母による監護が困難か不適当である
・ Ⓑ その他特別の必要がある
・ ㋬ 養親となる者が養子となる者を6ヶ月以上監護した状況を考慮
③ 特別養子縁組は、養子となる者が家庭裁判所に請求しなければなりません。
④ 特別養子縁組によって、養子と実方の父母などとの親族関係が終了します。
⑷ 親権
㋑ 親権者・未成年後見人は、未成年者に対して「親権」を有します。
㋺ 「親権」には、
・ ① 監護権、
・ ② 教育権、
・ ③ 居所指定権、
・ ④ 懲戒権、
・ ⑤ 職業許可権、
・ ⑥ 財産管理権、
・ ⑦ 法律行為代理権 があります。
㋩ 親権者が未成年者と利益が相反する行為は、家庭裁判所が選任した特別代理人でなければ行うことができません。
㋥ 未成年者に無償で財産を与えた者は、
・ Ⓐ その財産を親権者に管理させないことを意思表示することができます。
・ Ⓑ その場合には、親権者は、その財産の管理権を有しません。
・ Ⓒ 財産贈与者は、その財産の管理者を指定することができます。
・ Ⓓ 管理者の指定がないときは、家庭裁判所が選任します。
⑸ 未成年者
㋑ 「未成年者」とは、成年(2022年3月31日までは年齢満20歳、2022年4月1日からは年齢満18歳)に達しない者をいいます。
㋺ 未成年者が法律行為をするには、法定代理人の同意を得なければなりません。同意を得ないでした法律行為は取り消しができます。取り消されると法律行為は無効になります。
㋩ ただし、未成年者が、単に権利を得たり、義務を免れる法律行為には同意は必要ありません。
㋥ また、法定代理人が未成年者に、処分を許した財産は、未成年者が自由に処分することができます。ただし、法定代理人が目的を定めたときは、その目的の範囲内に限ります。
㋭ 営業を許された未成年者は、その営業に関しては、成年者と同一の行為能力を有します。
㋬ 未成年者が婚姻するには、父母の同意(または、父母の一方の同意)が必要です。そして、未成年者が婚姻すると成年に達したものとされます。
⑹ 未成年後見
㋑ 未成年者に、①親権を行う者がないとき、②親権を行う者が管理権を有しないとき、③後見開始の審判があったときには、未成年後見が開始されます。
㋺ 未成年者後見人は、①最後に管理権のある親権を行う者が遺言により指定し、②親権を行う父母の一方が管理権を有しないときは、他の一方が指定し、③家庭裁判所が選任します。
㋩ 家庭裁判所は、通例、親族、弁護士、司法書士、社会福祉士などから、未成年後見人を選任しています。
㋥ 未成年後見人は、未成年者の戸籍に記載されます。
3 介護
⑴ 補助
・ ㋑ 精神上の障害により、事理を弁識する能力が不十分である者に、
・ ㋺ 本人・親族などの請求により、家庭裁判所が補助開始の審判で、
・ ㋩ 「補助人」がつけられます。
・ ㋥ 特定の行為には補助人の同意が必要とする審判もあります。
・ ㋭ 補助人の同意のない行為は、取消ができます。
・ ㋬ 本人が、不当・不適切な行為をして被害を受けるのを防止します。
⑵ 保佐
・ ㋑ 精神上の障害により、事理を弁識する能力が著しく不十分である者に、
・ ㋺ 本人・親族などの請求により、家庭裁判所が補助開始の審判で、
・ ㋩ 「保佐人」がつけられます。
・ ㋥ 次の行為には、保佐人の同意が必要です。
・ Ⓐ 元本の領収・利用
・ Ⓑ 借財・保証
・ Ⓒ 不動産など重要な財産の得喪
・ Ⓓ 訴訟
・ Ⓔ 贈与・和解・仲裁合意
・ Ⓕ 相続の承認・相続の放棄・遺産の分割
・ Ⓖ 贈与申込の拒絶・遺贈の放棄・負担付贈与の承諾・負担付遺贈の承諾
・ Ⓗ 新築・改築・増築・大修繕
・ Ⓘ 賃貸借(短期賃貸借を除く)
・ Ⓙ 未成年者・成年被後見人・被補佐人・被補助人の法定代理人として行うⒶ〜Ⓘの行為
・ ㋭ 補助人の同意のない行為は、取消ができます。
・ ㋬ 本人が、不当・不適切な行為をして被害を受けるのを防止します。
⑶ 成年後見(法定後見)
・ ㋑ 精神上の障害により、事理を弁識する能力を欠く常況にある者に、
・ ㋺ 本人・親族などの請求により、家庭裁判所が補助開始の審判で、
・ ㋩ 「成年後見人」がつけられます。
・ ㋥ すべての法律行為は、取消ができます。
・ ㋭ ただし、日用品の購入など日常生活に関する行為は、本人ができます。
・ ㋬ 本人が、不当・不適切な行為をして被害を受けるのを防止します。
・ ㋣ 成年後見人には、通常、弁護士・司法書士などが選任されます。
・ ㋠ 成年後見人に、後見監督人が付されることもあります。
⑷ 任意後見
・ ㋑ 「法定後見」は、本人に事理弁識能力が欠けてから開始されるものですが、
・ 「任意後見」は、本人に事理弁識能力のある間に、自ら契約するものです。
・ ㋺ 本人を「委任者」、任意後見人となるべき者を「受任者」として、契約します。
・ ㋩ 「任意後見契約」は、法定の公正証書によって行います。
・ ㋥ 任意後見契約は、
・ Ⓐ 委任者(本人)が受任者(後見人)に
・ Ⓑ 精神上の障害により事理弁識能力が不十分な状況における自己の、
・ ⓐ 生活
・ ⓑ 療養看護
・ ⓒ 財産の管理
・ に関する事務の全部・一部を委託し、代理権を付与するものです。
・ ㋭ 任意後見人は、本人の意思を尊重し、本人の心身の状態・生活の状況に配慮して、事務を行わなければなりません。
・ ㋬ 任意後見契約は、法務局に登記しなければなりません。
⑸ 身上介護
⑹ 宗教・信仰介護
① 意思能力に問題が生じた場合
・ ㋑ 日本の法律では、本人の宗教・信仰の介護は全く行われません。
・ ㋺ ただ「金銭・財産」の面にのみ関心が寄せられています。
・ ㋩ それどころか、次のような宗教・信仰の行為を禁じらる現状です。
・ Ⓐ 宗教の集会への出席
・ Ⓑ 礼拝・祭典・儀式への参加
・ Ⓒ 祈祷・祈願
・ Ⓓ 献金・布施・奉献
② 宗教・信仰介護の必要
・ ㋑ 最後まで、本人の宗教・信仰を全うさせてあげることが必要です。
・ ㋺ 法律介護・身上介護とともに、宗教介護・信仰介護が必要です。
③ 補助人・保佐人・成年後見人の選任上の注意
・ ㋑ 裁判所への申立に、宗教・信仰の面の申述が必要があります。
・ ㋺ 宗教・信仰が同じ者を選任するよう強く要望する必要があります。
④ 無宗教の補助人・保佐人・成年後見人による悲劇
・ ㋑ ほとんどの場合、
・ Ⓐ 無宗教・無信仰の補助人・保佐人・成年後見人が付けられます。
・ Ⓑ 宗教・信仰について無理解か、敵対的です。
・ ㋺ 異なる宗教の補助人・保佐人・成年後見人でも、
・ Ⓐ 宗教・信仰については理解してくれます。
・ Ⓑ 異なる宗教とはいえ、本人の身になって考えてくれます。
・ ㋩ 無宗教・無信仰の補助人・保佐人・成年後見人の場合、
・ Ⓐ 宗教・信仰の行為を「無駄」と判断して、禁止する傾向です。
・ Ⓑ 宗教・信仰の行為に費用をかけることを否定しがちです。
・ Ⓒ 宗教・信仰の献金・布施・寄贈などを否定しがちです。
・ Ⓓ 宗教・信仰の行為としての贈与・遺贈を否定しがちです。
4 国籍
⑴ 国籍
① 出生による国籍の取得
・ ㋑ 出生時に、日本国民の父または母の子
・ ㋺ 出生時に、死亡時に日本国民であった死亡した父の子
・ ㋩ 父母共に不明で、日本で生まれた子
・ ㋥ 日本で生まれた、無国籍の父母の子
② 認知による国籍の取得
・ ㋑ 子が出生の時に日本国民であった父または母が認知したこと
・ ㋺ 子が20歳未満であること
・ ㋩ その父または母が現に日本国民であること(死亡時に日本国民であったこと)
・ ㋥ 子が届出をすること
⑵ 帰化
① 「帰化」とは
・ ㋑ 「帰化」とは、外国人が日本国籍を取得すること
・ ㋺ 帰化には、法務大臣の許可が必要
② 帰化の要件
・ ㋑ 引き続き5年以上日本に住所を有すること
・ ㋺ 20歳以上であること
・ ㋩ 本国法によって、行為能力を有すること
・ ㋥ 素行が善良なこと
・ ㋭ 自己または生計を一にする親族の資産・技能で生計を営むこと
・ ㋬ 無国籍であるか、国籍を失うこと
・ ㋣ 日本国憲法や政府の暴力的破壊などのことがないこと
③ 帰化の許可申請
・ ㋑ 法務局(地方法務局)に出頭する
・ ㋺ 法務局(地方法務局)長に、書面で申請する
・ ㋩ 帰化の許可条件を備えていることを証する書類を添付する
④ 国籍の喪失
・ ㋑ 自己の志望により外国国籍を取得したとき
・ ㋺ 外国法により外国国籍を選択したとき
・ ㋩ 出生により外国国籍を取得して、日本国籍を留保する意思を表示しなかったとき
・ ㋥ 外国国籍を有する日本国民が、国籍離脱の届出をしたとき
⑤ 国籍の選択
・ ㋑ 日本国籍と外国国籍を併有する者は、何かの国籍を選択しなければなりません。
・ Ⓐ 20歳未満で併有したときは、22歳までに
・ Ⓑ 20歳以上で併有したときは、その時から2年以内に
・ ㋺ 日本国籍を選択するには、
・ Ⓐ 外国国籍を離脱すること
・ Ⓑ 日本国籍の選択し、外国国籍を放棄する宣言をすること
・ ㋩ 国籍選択の催告
・ Ⓐ 国籍選択の手続きをしない者に、催告される
・ Ⓑ 催告を受けた日から
・ ⓐ 1月以内に日本国籍を選択しなければ、
・ ⓑ 1月経過の時に日本国籍を失う
5 戸籍・住民登録
⑴ 戸籍
・ ① 「戸籍」は、「本籍」を定める市町村に備えられます。
・ ② 「戸籍」は、夫婦と子を単位として編成されます。
・ Ⓐ ただし、氏が異なる子は除かれます。
・ Ⓑ もちろん、本籍が異なる子も除かれます。
・ ③ 「戸籍」には、次の事項が記載されます。
・ Ⓐ 氏名
・ Ⓑ 出生の年月日
・ Ⓒ 入籍の原因・年月日
・ Ⓓ 実父母の氏名と実父母との続柄
・ Ⓔ 養子については、養親の氏名と養親との続柄
・ Ⓕ 夫婦については、夫または妻の旨
・ Ⓖ 他の戸籍からの入籍者については、元の戸籍の表示
・ Ⓗ その他
⑵ 住民基本台帳・住民票
・ ① 「住民票」は、
・ 市町村において、住民ごとに、個人を単位にして、作成されます。
・ ② 「住民基本台帳」は、
・ 「住民票」を、世帯ごとに編成して、作成されます。
・ ③ 「住民票」には、次の事項が記載されます。
・ Ⓐ 氏名
・ Ⓑ 出生の年月日
・ Ⓒ 男女の別
・ Ⓓ 世帯主については、世帯主である旨
・ 世帯員については、世帯主の氏名と世帯主との続柄
・ Ⓔ 戸籍の表示
・ 戸籍のない者については、その旨
・ Ⓕ 住民となった日
・ Ⓖ 住所
・ Ⓗ 個人番号
・ Ⓘ 選挙人名簿
・ Ⓙ 国民健康保険
・ Ⓚ 後期高齢者医療
・ Ⓛ 介護保険
・ Ⓜ︎ 国民年金
・ Ⓝ 児童手当
・ Ⓞ 米国配給
・ Ⓟ 住民票コード
・ Ⓠ その他
⑶ 登録型本人通知制度
・ ① 他人の戸籍謄本や住民票の写しを勝手に取得し、身元調査に用いたり、個人情報を不正に利用したりするなどが問題となっています。
・ ② そこで、本人以外の者の請求により、戸籍謄本や住民票の写しを交付した場合に、その事実を本人に通知する制度が「本人通知制度」です。
・ ③ この制度は、すべての人に適用されるものではありません。本人通知を希望して市区町村にその旨を登録した本人だけに適用されます。そのため「登録型本人通知制度」と呼ばれています。
・ ④ この制度は、法律に基づく制度ではありませんから、すべての市区町村で実施されているわけではありませんが、全国的に多くの市区町村で実施されています。
・ ⑤ 本人以外の者に戸籍謄本や住民票の写しが交付された場合に、その旨が本人に通知されますから、本人に心当たりがない場合には、誰が請求したのかを開示請求することもできます。
⑷ 職務上請求制度
・ ① 弁護士、司法書士、行政書士、海事代理士、税理士など法律に定められた8つの資格を有する者が、職務上、他人の戸籍謄本や住民票の写しを必要とする場合には、厳格な手続きに従って、本人の委任を得ることなく、これらを請求することができます。
・ ② 職務上請求は法律に基づく制度ですが、本人ではありませんから、本人通知の登録をした本人には、交付の事実が通知されます。
・ ③ 職務上請求を悪用する者もいますから、通知を受けた場合には、開示請求をして、誰が請求したのかを確かめ、不正な請求であれば、適正な措置をとることも重要です。
⑸ 本人以外の者による請求制度
・ ① 次の者は、他人の戸籍謄本や住民票の写しを必要とする場合には、本人の委任を得ることなく、これらを請求することができます。
・ ㋑ 自己の権利を行使するために必要がある者
・ Ⓐ 近隣関係の争訟に関する手続き(内容証明郵便、訴状、仮処分申請など)をしようとする場合など。
・ Ⓑ 金銭や物品の貸借関係に絡み、金銭の返済、物品の提供、損害の賠償を請求をしようとする場合など。
・ ㋺ 自己の義務を履行するために必要がある者
・ Ⓐ 借金の返済をしようとするに当たり権利者を確認する場合など。
・ Ⓑ 隣地への賠償のため隣地所有者を確認する場合など。
・ ㋩ 国・地方公共団体の機関に提出する必要がある者
・ Ⓐ 営業の許認可申請のために従業者の書面を提出する場合など。
・ Ⓑ 助成金の受給にあたり関係者の書面を必要とする場合など。
・ ㋥ その他正当な理由がある者
・ ② 上記の請求は法律に基づく制度ですが、本人ではありませんから、本人通知の登録をした本人には、交付の事実が通知されます。
・ ③ 上記の請求を悪用する者もいますから、通知を受けた場合には、開示請求をして、誰が請求したのかを確かめ、不正な請求であれば、適正な措置をとることも重要です。
・
6 外国人
⑴ 住民登録
・ ㋑ 日本では、中長期の在留者外国人は、日本人と同様に、「住民」として扱われます。
・ ㋺ 「在留カード」を受けた外国人は、住所地の市区町村役場(住民課など)に赴いて、住民登録を受けなければなりません。
・ ㋩ 住民登録を受けた外国人は、日本人と同様の「住民票」が作成されます。
・ ㋥ 「住民票の写し」を受けると、本人の住所証明や身分証明になります。
・ ㋭ 「住民票の写し」は、次のような場合に必要となります。
・ Ⓐ 自動車の運転免許を取得する
・ Ⓑ 自動車を購入して、自動車登録を受ける
・ Ⓒ アパートやマンションの賃貸借契約をする
・ Ⓓ 戸建てやマンションを購入して不動産登記を受ける
・ Ⓔ 会社や法人を設立するために、定款の認証を受ける
・ Ⓕ 会社や法人の設立登記を受ける
・ Ⓖ 学校や研修所に入学する、聴講する、研修を受ける
・ Ⓗ 各種の資格の許可・免許・登録を受ける
・ Ⓘ 各種の営業の許可・免許・登録を受ける
⑵ ・・・
7 国際結婚
⑴
・
(マカオにて)
Ⅱ 個人の職業生活
1 労働関係
(「経営支援」のページも参照)
⑴ 労働契約法
・ ㋑ 労働契約は、労働者と使用者が対等の立場における合意に基づきます。
・ ㋺ 労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者が労働者に賃金を支払うことを合意して成立します。
・ ㋩ 就業規則によって、不利益に労働条件を変更することはできません。
・ ㋥ 就業規則の基準に達しない労働契約は、その部分で無効とされ、就業規則の基準が適用されます。
・ ㋭ 使用者には、労働者が生命・身体等の安全を確保して労働できるよう必要な配慮が求められます(安全配慮義務)。
⑵ 労働基本法
・ ① 労働時間・時間外労働・休憩
・ ㋑ 労働時間は、1週間40時間(休憩時間を除く)。
・ ㋺ 労働時間は、1日8時間(休憩時間を除く)。
・ ㋩ 時間外労働は、労使協定(36協定)し、労働基準監督署に届け出た場合に限り可能です。
・ ㋥ 時間外労働には、割増賃金(25%〜50%増し)が必要です。
・ ㋭ 月60時間を超える時間外労働には、50%増しの割増賃金が必要です。
・ ㋬ 労働6時間超で45分、労働8時間超で1時間の休憩が必要です。
・ ㋣ 休憩は一斉に与えなければなりません(一斉休憩の原則)。
・ ㋠ 1歳未満の育児をする女性は、休憩時間のほか、1日2回各30分(合計60分)の育児時間を請求できます。
・ ㋷ 生理日の就業が著しく困難な女性は生理日の休暇を請求できます。
・ ② 休日・休日労働・年次有給休暇
・ ㋑ 毎週1日の休日または4週間で4日の休日が必要です。
・ ㋺ 1日8時間を超える労働をさせてはなりません(休憩時間は除きます。)。
・ ㋺ 休日労働は、労使協定(36協定)し、労働基準監督署に届け出た場合に限り可能です。
・ ㋥ 休日労働には、割増賃金(25%〜50%増し)が必要です。
・ ㋭ 月60時間を超える時間外労働には、50%増しの割増賃金が必要です。
・ ㋬ 6カ月の継続労働(8割以上出勤)に10日の有給休暇が必要です。
・ ㋣ 有給休暇は勤続年数に応じて次の日数を加算します。
・ 1年 1日 (合計11日)
・ 2年 2日 (合計12日)
・ 3年 4日 (合計14日)
・ 4年 6日 (合計16日)
・ 5年 8日 (合計18日)
・ 6年以上 10日 (合計20日)
・ ③ 解雇制限
・ ㋑ 解雇できない場合
・ Ⓐ 業務上の負傷・疾病で、療養のため休業中の期間
・ Ⓑ その後30日間
・ Ⓒ 産前産後の休業中の期間
・ Ⓓ その後30日間
・ Ⓔ 天災事変などで事業の継続が不可能となった場合は例外です。
・ ㋺ 解雇の予告
・ Ⓐ 解雇するには、30日以上前に予告しなければなりません。
・ Ⓑ 予告なしの場合は、平均賃金の30日分以上の解雇予告手当を支払わなければなりません。
・ Ⓒ 日数分の解雇予告手当を支払って、予告日数を短縮することができます。
・ Ⓓ ⓐ日雇い労働者、ⓑ2ヶ月以内の短期労働者、ⓒ4ヶ月以内の季節労働者、ⓓ試用期間中の労働者には適用されません。
・ ④ 就業規則
・ ㋑ 作成義務
・ Ⓐ 常時10人以上の労働者を使用する使用者
・ Ⓑ 10人未満の場合でも作成することをお勧めします。
・ ㋺ 作成手続き
・ Ⓐ 労働者の意見を聴取する
・ ⓐ 労働者の過半数で組織する労働組合
・ ⓑ 労働者の過半数を代表する者
・ Ⓑ 行政官庁に届け出る
・ Ⓒ 労働者に周知する
・ Ⓓ 変更の場合も同様
・ Ⓔ 法令・労働協約に反する場合は、行政官庁から変更命令
・ ㋩ 規定する事項
・ Ⓐ 始業・就業の時刻
・ Ⓑ 休憩時間
・ Ⓒ 休日
・ Ⓓ 休暇
・ Ⓔ 交代勤務の制度
・ Ⓕ 賃金の決定・計算・支払・昇給
・ Ⓖ 退職
・ Ⓗ 退職手当
・ Ⓘ 臨時の賃金
・ Ⓙ 最低賃金額
・ Ⓚ 労働者が負担しなければならない食費・作業用品代など
・ Ⓛ 安全・衛生
・ Ⓜ︎ 職業訓練
・ Ⓝ 災害補償
・ Ⓞ 業務外の傷病扶助
・ Ⓟ 表彰
・ Ⓠ 制裁
・ Ⓡ その他
・ ㋥ 就業規則と法令・労働協約・労働契約との関係
・ Ⓐ 就業規則は、法令に反してはなりません。
・ Ⓑ 就業規則は、労働協約に反してはなりません。
・ Ⓒ 就業規則を労働者に周知させている場合は、就業規則の内容が労働契約の内容となります。
・ Ⓓ 労働契約で就業規則と異なる内容を定めたときは、労働契約が優先します。
・ Ⓔ 就業規則の変更によって、労働契約が変更されることはありません。
・ Ⓕ 労使の合意があれば、就業規則の変更により、労働契約が変更されます。
・ Ⓖ 変更後の就業規則の内容が相当で合理的な場合には、就業規則の周知により、労働契約の変更とされることがあります。
・ Ⓗ 就業規則の基準に達しない労働契約はその部分については無効です。
・ ⑤ 労使協定(36協定)
・ ㋑ 時間外労働・休日労働は、労使協定がある場合に可能です。
・ ㋺ 「36協定」とは
・ Ⓐ 使用者と労働者側との協定です。
・ Ⓑ その労働者側とは、
・ ⓐ 労働者の過半数で組織する労働組合
・ ⓑ 労働者の過半数を代表する者
・ Ⓒ 書面による協定が必要です。
・ ㋩ 36協定による特例
・ Ⓐ 時間外労働
・ ⓐ 週40時間・1日8時間を超えた労働
・ ⓑ ただし、所定の基準に適合すること
・ Ⓑ 休日労働
・ 休日に労働
・ ㋥ 割増賃金
・ Ⓐ 時間外手当
・ Ⓑ 休日手当
・ Ⓒ 深夜手当
・ ㋭ 割増額
・ 25%以上50%以下
労働者の副業・兼業
・ ① 従来は、「副業禁止」でした。
・ ㋑ 従来、就業規則で、「従業員は、他の会社等の業務に従事してはならない」とされていました。
・ ㋺ これは「労働者の遵守事項」とされてきました。
・ ㋩ これに違反したら「懲戒処分」対象でした。
・ ② 現在は、「副業容認」に変わりました。
・ ㋑ 厚労省のモデル就業規則が改正されました。
・ ㋺ 「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」
・ ③ 「副業禁止」の禁止
・ ㋑ 企業は、特別の理由もなく、副業を禁止することはできません。
・ ㋺ 企業は、従業員の副業の管理が必要になります。
・ ㋩ 先に労働契約を締結した企業(労働者の主業企業)
・ Ⓐ 従業員は、勤務時間中に副業に就くことはできません。
・ Ⓑ 従業員の労働時間は副業の労働時間と通算されます。
・ Ⓒ 主業企業としては法定労働時間内のつもりでも時間外になることがあります。
・ Ⓓ 従業員の副業時間を正確に把握する必要があります。
・ Ⓔ 従業員が、主業企業での技術やノウハウを利用して副業に就くおそれもあります。
・ ④ 「副業」の引き受け
・ ㋑ 企業は、他の企業の従業員を、副業として雇用することができます。
・ ㋺ 副業先の企業(副業企業)は、主業企業での労働時間と通算した労働時間の枠で労働者を使用できます。
・ ㋩ 副業企業は、主業企業での従業員の労働時間を正確に把握する必要があります。
・ ㋥ 副業企業は、多くの場合、時間外手当、休日手当などを負担することになります。
・ ㋭ 労働者は、主業企業に勤めながら、1日1〜2時間、1週数時間程度の勤務は可能です。
・ ⑤ 宗教団体での「副業」
・ ㋑ 労働者は、企業に勤めながら、
・ Ⓐ 毎日、退社後、1〜2時間、
・ Ⓑ または、休日に数時間、
・ 神社・寺院・教会などの宗教団体において勤務することが可能です。
・ ㋺ 宗教団体は、
・ Ⓐ 毎日、1〜2時間、
・ Ⓑ または、休日に数時間、
・ 企業に勤務する信者を、副業として雇用することが可能です。
・ ⑥ 労働者の「兼業」
・ ㋑ 労働者は、勤務時間外においては、他の業務を営むこと(兼業)も可能です。
・ ㋺ 労働者が、宗教団体の資格を得て、宗教職として奉仕することも可能です。
・ Ⓐ たとえば、宮司、住職、牧師、教会長などとして。
・ Ⓑ たとえば、禰宜、権禰宜、副住職、副牧師、伝道師、宣教師、説教師、布教師などとして。
・ Ⓒ たとえば、信者の教育・訓練、未信者への布教、儀式の執行、行事の補佐などとして。
・ ㋩ 労働者が、宗教団体の経理、事務、通信、情報管理、システム管理、営繕、保守、警備、管理、清掃、給食などの業務を受託し、請負い、受任することも可能です。
・
「45歳定年」とは?
・ ㋑ 突然、経済界で、「45歳定年」が発言されました。
・ ㋺ そして、「労働者が自由に転職できるように」いう趣旨との説明がされました。
・ ㋩ そもそも、労働者にも、使用者にも、「定年」に関する誤解があるようです。
・ ㋥ 「定年」とは、労働者が「それまで退職できない/それまで働かなければならない」上限年齢という意味ではありません。
・ ㋭ 「定年」とは、使用者が「それまでは解雇できない」上限年齢です。
・ ㋬ 労働者は、「定年」にかかわらず、いつでも退職することができます。 いう意味ではありません。
・ ㋣ 法律上の「定年」は、使用者が無碍に労働者を解雇できないように、労働者を保護するための規定です。 いう意味ではありません。
・ ㋠ 使用者は、「60歳以下の定年」を定めることができません。いう意味ではありません。
・ ㋷ 使用者は、「65歳までの安定した雇用」を確保する義務があります。 いう意味ではありません。
・ ㋦ 「45歳定年」は、明らかに法律違反です。
・
⑶ 男女雇用機会均等法
・ ㋑ 事業主は、性別に関わりなく均等に労働者の募集・採用をしなければなりません。
・ ㋺ 事業主は、次の事項について、性別による差別的取扱いをしてはなりません。
・ Ⓐ 労働者の配置・業務の配分・権限の付与・昇進・降格・教育訓練
・ Ⓑ 住宅資金の貸し付けなど
・ Ⓒ 労働者の職種・雇用形態の変更
・ Ⓓ 退職の勧奨・定年・解雇・労働契約の更新
⑷ 高年齢雇用安定法
・ ㋑ 60歳未満の定年を定めることはできません。
・ ㋺ 60歳以上65歳未満の定年を定める事業主は、65歳までの安定した雇用を確保する措置をしなければなりません。
・ Ⓐ その一は、定年を65歳以上に引き上げることです。
・ Ⓑ その二は、65歳までの継続雇用制度を導入することです。
・ Ⓒ その三は、定年の定めを廃止することです。
・ ㋩ 65歳以上70歳未満の就業確保措置(努力義務)
・ Ⓐ 定年を70歳までの引き上げ
・ Ⓑ 定年制の廃止
・ Ⓒ 70歳までの継続雇用制度
・ Ⓓ 70歳まで継続的な業務委託契約制度
・ Ⓔ 70歳まで継続的に従事できる制度
・ ⓐ 事業主が行う社会貢献活動
・ ⓑ 事業主が委託・出資する団体の社会貢献活動
⑸ 最低賃金法
・ ㋑ 使用者は、労働者に、最低賃金額以上の賃金を支払わなければなりません。
・ ㋺ 最低賃金額未満の賃金を定める労働契約は、その部分について無効とされ、最低賃金額の定めとされます。
⑹ 育児休業・介護休業法
・ ① 育児休業
・ ㋑ 労働者は、1歳未満の子を養育するために休業することができます。
・ ㋺ 事業主は、育児休業の申出を拒むことができません。
・ ㋩ 事業主は、育児休業したことで不利益な取扱いをしてはなりません。
・ ㋥ 育児休業の期間は、1歳になるまでです。
・ ㋭ 育児休業の期間は、1歳6ヶ月になるまで延長することができます。
・ ㋬ 育児休業の期間は、2歳になるまで再延長することができます。
・ ㋣ なお、産前休業は8週間、産後休業は8週間あります。
・ ② 介護休業
・ ㋑ 労働者は、要介護状態の家族を介護するために休業することができます。
・ ㋺ 事業主は、介護休業の申出を拒むことができません。
・ ㋩ 事業主は、介護休業したことで不利益な取扱いをしてはなりません。
・ ㋥ 介護休業の期間は、最大93日です。
・ ③ 子の看護休暇
・ ㋑ 労働者は、未就学児の怪我病気の世話する休暇を取ることができます。
・ ㋺ 事業主は、この休暇の申出を拒むことができません。
・ ㋩ 事業主は、この休暇を取ったことで不利益な取扱いをしてはなりません。
・ ㋥ 子の看護休暇の期間は、1年度に5日までです。
・ ㋭ 未就学児が2人以上いる場合には、子の看護休暇の期間は、1年度に10日までです。
・ ④ 介護休暇
・ ㋑ 労働者は、要介護状態の家族の世話する休暇を取ることができます。
・ ㋺ 事業主は、この休暇の申出を拒むことができません。
・ ㋩ 事業主は、この休暇を取ったことで不利益な取扱いをしてはなりません。
・ ㋥ 介護休暇の期間は、1年度に5日までです。
・ ㋭ 要介護状態の家族が2人以上いる場合には、介護休暇の期間は、1年度に10日までです。
2 社会保険
⑴ 国民健康保険・国民年金
① 国民健康保険
・ ㋑ すべての住民のための公的保険(医療保険)
・ Ⓐ 日本人
・ Ⓑ 外国人(中長期の在留資格者)
・ ㋺ 保険給付
・ Ⓐ 疾病
・ Ⓑ 負傷
・ Ⓒ 出産
・ Ⓓ 死亡
② 国民年金
・ ㋑ すべての住民のための公的年金
・ Ⓐ 日本人
・ Ⓑ 外国人(中長期の在留資格者)
・ ㋺ 保険給付
・ Ⓐ 老齢
・ Ⓑ 障害
・ Ⓒ 死亡
⑵ 健康保険・厚生年金
① 健康保険
・ ㋑ 労働者とその被扶養者のための医療保険
・ Ⓐ 適用事業所に使用される労働者
・ Ⓑ 適用事業所とは
・ ⓐ 常時5人以上の従業員を使用する次の事業
・ ⅰ 物の製造・加工・選別・包装・修理・解体
・ ⅱ 土木・建築、工作物の建設・改造・保存・修理・変更・破壊など
・ ⅲ 鉱物の採掘・採取
・ iv 電機・動力の発生・伝導・供給
・ ⅴ 貨物・旅客の運送
・ ⅵ 貨物積卸
・ ⅶ 焼却・清掃・屠殺
・ ⅷ 物の販売・配給
・ ⅸ 金融・保険
・ ⅹ 物の保管・賃貸
・ xi 媒介周旋
・ xii 集金・案内・広告
・ xiii 教育・研究・調査
・ xiv 疾病の治療・助産・医療
・ xv 通信・報道
・ xⅵ 社会福祉事業・更生保護事業
・ ⓑ 常時従業員を使用する国・地方公共団体・法人
・ ㋺ 保険給付
・ Ⓐ 業務外の疾病
・ Ⓑ 業務外の負傷
・ Ⓒ 業務外の死亡
・ Ⓓ 出産
② 厚生年金
・ ㋑ 労働者のための年金
・ Ⓐ 適用事業所に使用される労働者
・ Ⓑ 適用事業所とは
・ ⓐ 常時5人以上の従業員を使用する次の事業
・ ⅰ 物の製造・加工・選別・包装・修理・解体
・ ⅱ 土木・建築、工作物の建設・改造・保存・修理・変更・破壊など
・ ⅲ 鉱物の採掘・採取
・ iv 電機・動力の発生・伝導・供給
・ ⅴ 貨物・旅客の運送
・ ⅵ 貨物積卸
・ ⅶ 焼却・清掃・屠殺
・ ⅷ 物の販売・配給
・ ⅸ 金融・保険
・ ⅹ 物の保管・賃貸
・ xi 媒介周旋
・ xii 集金・案内・広告
・ xiii 教育・研究・調査
・ xiv 疾病の治療・助産・医療
・ xv 通信・報道
・ xⅵ 社会福祉事業・更生保護事業
・ ⓑ 常時従業員を使用する国・地方公共団体・法人
・ ⓒ 船舶
・ ㋺ 保険給付
・ Ⓐ 老齢
・ Ⓑ 障害
・ Ⓒ 死亡
⑶ 雇用保険・労働者災害補償保険(労災保険)
① 雇用保険
・ ㋑ 労働者のための失業保険
・ Ⓐ 適用事業所に雇用される労働者
・ Ⓑ 適用事業所とは、労働者が雇用される事業所
・ ㋺ 保険給付
・ Ⓐ 給付される場合
・ ⓐ 失業した場合
・ ⓑ 雇用継続が困難となる事由が生じた場合
・ Ⓑ 失業等給付
・ ⓐ 求職者給付
・ ⅰ 技能習得手当
・ ⅱ 寄宿手当
・ ⅲ 傷病手当
・ ⓑ 就職促進給付
・ ⅰ 就職促進手当
・ ⅱ 移転費
・ ⅲ 求職活動支援費
・ ⓒ 教育訓練給付
・ ⅰ 教育訓練給付金
・ ⓓ 雇用継続給付
・ ⅰ 高年齢雇用継続基本給付金
・ ⅱ 高年齢再就職給付金
・ ⅲ 育児休業給付金
・ iv 介護休業給付金
② 労災保険
・ ㋑ 労働者のための公的保険
・ ㋺ 適用事業 = 労働者を使用する事業
・ ㋩ 保険給付
・ Ⓐ 業務災害
・ 業務上の負傷・疾病・障害・死亡
・ Ⓑ 通勤災害
・ 通勤による負傷・疾病・障害・死亡
3 労働組合
⑴ 「労働組合」とは
① 主たる目的
・ ㋑ 労働者が主体となって、
・ ㋺ 自主的に、
・ ㋩ 労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図る
② 労働組合から除外
・ ㋑ 使用者の利益を代表する者の参加を許す団体
・ ㋺ 使用者から経理上の援助を受ける団体
・ ㋩ 福利事業のみを目的とする団体
・ ㋥ 主として政治活動・社会運動を目的とする団体
③ 労働者とは
・ 賃金・給料などの収入によって生活する者
⑵ 労働組合の設立
① 労働組合の設立
・ ㋑ 労働者の代表により規約を作成
・ ㋺ 労働者の創立総会により設立
② 労働委員会の確認
・ ㋑ 労働組合の要件の具備
・ ㋺ 規約の法定事項の具備
③ 法人化
・ ㋑ 労働委員会の証明
・ ㋺ 法務局で設立登記
⑶ 労働組合の規約
① 名称
② 主たる事務所の所在地
③ 組合員は組合のすべての問題に参与する権利を有すること
④ 組合員は均等の取扱を受けること
⑤ 何人も、いかなる場合においても、
・ 人種・宗教・性別・門地・身分によって組合員の資格を奪われないこと
⑥ 役員は、組合員の直接無記名投票によって選挙されること
⑦ 総会は、少なくとも毎年1回開催すること
⑧ 会計報告は、
・ ㋑ すべての財源・使途・主要寄付者の氏名・現在の経理状況を示し、
・ ㋺ 組合員によって移植された職業的資格のある会計監査人により正確であることの証明書と共に
・ ㋩ 少なくとも毎年1回、組合員に公表すること
⑨ 同盟罷業(ストライキ)の開始は、
・ ㋑ 組合員または組合員の直接無記名投票で選挙された代議員の
・ ㋺ 直接無記名投票の過半数による決定を経ること
⑩ 規約の改正は、組合員の直接無記名投票による過半数を得ること
⑷ 労働組合の機能・権限
① 交渉権限
・ 組合員のために、使用者と交渉する権限
② 労働協約の締結
・ 労働協約を締結する権限
③ 不当労働行為
・ 使用者の禁止事項
4 専門教育
5 税務会計
・
(上海にて)
Ⅲ 個人の事業経営
・ 「経営支援」のページも併せてご覧ください。
1 起業立案
2 法人設立
3 経営診断
4 社員教育
5 事業承継
・
(マカオのギア灯台とギア教会)
Ⅳ 個人の社会生活
1 消費者の保護
2 消費者契約
3 消費者訴訟
4 学校教育
5 地縁団体
6 医療制度
7 医療支援
無料低額診療事業
8 社会保険
⑴ 国民健康保険(医療保険)
⑵ 国民年金
⑶ 介護保険
9 生活保護
⑴ 日本国憲法
・ 第25条 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
⑵ 生活保護法
・ ㋑ 生活が困窮している国民に、必要な保護を行う
・ ㋺ 生活が困窮している国民に、最低限度の生活を保証する
・ ㋩ 生活が困窮している国民に、自立を助長する
⑶ 生活保護の原則
・ ① 申請保護の原則
・ ② 基準程度の原則
・ ③ 必要即応の原則
・ ④ 世帯単位の原則
⑷ 生活保護の種類
・ ① 生活扶助
・ ② 教育扶助
・ ③ 住宅扶助
・ ④ 医療扶助
・ ⑤ 介護扶助
・ ⑥ 出産扶助
・ ⑦ 生業扶助
・ ⑧ 葬祭扶助
⑸ 生活保護を受けている人の権利と義務
・ ① 不利益変更の禁止
・ ② 公課禁止
・ ③ 差押禁止
・ ④ 譲渡禁止
・ ⑤ 生活上の義務
・ ⑥ 届出の義務
・ ⑦ 指示等に従う義務
・ ⑧ 費用返還義務
・
(アメリカ・カリフォルニア州マリーナ)
Ⅴ 個人の権利義務
1 各種の契約
2 不動産の所有
3 近隣の関係
4 立法への関与
5 行政との関係
6 紛争の解決
7 宗教との関係
8 ペットの飼養
⑴ 動物愛護法
・ ㋑ ペットの飼養・管理は「動物の愛護及び管理に関する法律」にしたがわなければなりません。
・ ㋺ ペットの殺傷には、懲役2年・罰金200万円という罰則があります。
・ ㋩ ペットの不給餌・不給水・酷使・不当拘束・虐待などには、罰金100万円という罰則があります。
・ ㋥ ペットの遺棄(捨て犬・捨て猫)には、罰金100万円という罰則があります。
⑵ 飼い主の義務
① 終生飼養の義務
・ ㋑ ペットは、ペットが命を終えるまで、適切に使用しなければなりません。
・ ㋺ ペットの遺棄(ペットを捨てること)は、犯罪です。
② 適切飼養の義務
・ ㋑ ペットを、愛情をもって、飼養しなければなりません。
・ ㋺ ペットの種類・生態・習性・発育状況などに応じて、適切に給餌(餌やり)・給水(水やり)しなければなりません。
・ ㋩ ペットを適切に健康管理しなければなりません。
・ ㋥ ペットの疾病・負傷の予防を図らなければなりません。
・ ㋭ ペットが疾病・負傷したときは、速やかに獣医師による適切な措置を受けなければなりません。
・ ㋬ ペットの飼養施設は、適切な日照・通風を確保し、適切な温度・湿度を維持するようにしなければんまりません。
③ 周辺環境に対する配慮義務
・ ㋑ ペットによる人の生命・身体・財産への危害を防止しなければなりません。
・ ㋺ ペットの糞尿・毛・羽毛などを適正に処理しなければなりません。
・ ㋩ 周辺の生活環境の保全に努めなければなりません。
・ ㋥ 公園・道路など公共の場所や他人の土地を糞尿・毛などで害することがないようにしなければなりません。
・ ㋭ 頻繁な鳴き声などで周辺住民の日常生活の著しい支障を及ぼさないようにしなければなりません。
・ ㋬ 犬は放し飼いしてはなりません(柵囲みのある自宅の放し飼いは可能です)。
・ ㋣ 猫は屋内飼養に努め、屋外の場合は周辺住民の生活環境に著しい支障を及ぼさないようにしなければなりません。
・ ㋠ 犬を係留する際には、犬の行動範囲が道路や通路に接しないようにしなければなりません。
④ 感染症の予防義務
・ ㋑ 動物に起因する感染症についての正しい知識を持たなければなりません。
・ ㋺ 動物に起因する感染症の予防に注意しなければなりません。
・ ㋩ 動物と人に共通する感染症(共通感染症)について正しい知識を持たなければなりません。
・ ㋥ 共通感染症の可能性に留意しなければなりません。
・ ㋭ 感染症の可能性を考え、ペットとの接触を適度に留めなければなりません。
・ ㋬ 飼主が感染しないと共に、他人に感染させないようにしなければなりません。
・ ㋣ 動物に接触し、排泄物を処理したときは、手指などの洗浄を十分に行わなければなりません。
・ ㋠ 必要に応じて、消毒をしなければなりません。
⑤ ペットの逸走防止義務
・ ㋑ ペットの逸走(逃げ去り)を防止しなければなりません。
・ ㋺ ペットが逸走しないように、逸走できない構造などの、適切な飼養施設を設けなければなりません。
・ ㋩ ペットが逸走しないように、飼養施設の点検などを十分にしなければなりません。
・ ㋥ ペットの輸送中(車などで移動中)に逸走しないように、必要な容器を用いなければなりません。
・ ㋭ ペットが逸走した場合に、発見を容易にするために、マイクロチップの装着などの所有明示をしなければなりません。
・ ㋬ ペットが逸走した場合には、自己の責任で、速やかに捜索し、捕獲しなければなりません。
・ ㋣ ペットが逸走した場合には、速やかに関係機関に通報し、近隣の住民に周知しなければなりません。
⑥ 危害防止義務
・ ㋑ 人の生命・身体・財産に危害を及ぼさないようにしなければなりません。
・ ㋺ 人に迷惑を及ぼさないように躾(しつけ)を行わなければなりません。
・ ㋩ 犬を屋外で運動させる場合には、犬を制御できる者が引き運動によって行わなければなりません。
・ ㋥ 犬の突発的な行動に対応できるように引き綱に配慮しなければなりません。
・ ㋭ 犬が飼い主の制止に従うように犬を訓練しなければなりません。
・ ㋬ 犬の屋外運動には、時間や場所を考えなければなりません。
・ ㋣ 行動を制止できなかった場合に備え、口輪の装着などの措置をしなければなりません。
⑦ 繁殖防止義務
・ ㋑ 繁殖しても飼養数が増えても、適切な飼養環境・終生飼養の確保ができるようにしなければなりません。
・ ㋺ あるいは、自己の責任で、適切な譲渡をしなければなりません。
・ ㋩ そうでなければ、去勢手術・不妊手術をするか、雌雄を分けて飼養しなければなりません。
⑶ 非常事態に備えて
① 飼い主の高齢化
・ ㋑ 飼い主の高齢化でペットの終生飼養が困難になった場合には、自己の責任で譲渡先を探し、ペットが適切に終生飼養されるようにする。
・ ㋺ 市区町村・動物愛護センターでは、動物の引取を業務としていますが、ペットの飼養放棄には対応していません(引取を拒否されます)。
・ ㋩ ペットを飼養する前に、自己の高齢化・家族の変化・生活環境の変化などを見据えて、飼養するか否かを判断する。
・ ㋥ ペットの飼養放棄や遺棄は犯罪です。
② ペットの高齢化
・ ㋑ ペットの高齢化に伴い、飼主が対応できない場合が多発しています。
・ ㋺ ペットの高齢化に伴い、飼養には大きな負担が求められることを認識する。
・ ㋩ ペットの飼養放棄は犯罪です。
③ 地震・火災・台風などの災害時
・ ㋑ 関係業績機関の指導や地域防災計画などを踏まえて、災害時の緊急措置を定めておく。
・ ㋺ ペットの避難のためにペットを入れる容器や非常食を備えておく。
・ ㋩ 災害時には、速やかにペットを保護し、ペットが逸走して、ペットに事故が生じ、他に危害を及ぼすことがないようにする。
・ ㋥ 災害時に避難する際は、飼い主との同行避難とする。
・ ㋭ 災害時にペット同行で避難できる場所をあらかじめ確保しておく。
④ 災害時の避難所
・ ㋑ 一般の避難所では、ペットの受入は困難であると認識し、あらかじめ対応策を講じる。
・ ㋺ 避難所にペットを同行し、避難所の管理者や他の避難者とトラブルを起こさない。
・ ㋩ 鳴き声・糞尿・毛・臭いなどで他の避難者に迷惑をかけないよう、ペットは適切な容器に入れ、ペット用の非常食・非常水を持参する。
・ ㋥ 避難所では、避難者の居住空間に、ペットその他の動物を入れないこと。
・ ㋭ ペット同行の避難者向けの避難所では、ペット間の接触や鳴き声がでないようにし、糞尿・毛などの処理が適切に行われるようにすること。
⑤ 葬儀・埋葬
・ ㋑ ペットの葬儀・埋葬・火葬・収蔵は、人の場合とは異なります。
・ ㋺ ペット供養は「宗教活動ではない」「収益事業である」とする判決があり、宗教団体による適切な活動が退けられ、営利業者による事業が多くを占めています。
・ ㋩ ペット供養は、飼い主の宗教上の信仰に基づくことを再確認しなければなりません。
・ ㋥ 死後の世界観に関しては、宗教間で相違がありますが、来世の問題と今世での葬送とは各別に考える必要があります。
⑷ 「墓地、埋葬等に関する法律(墓地埋葬法)」と「廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)」
・ ㋑ 墓地埋葬法は、人間を対象としているため、動物の死体には適用されません。
・ ㋺ 廃棄物処理法では、「動物の死体」は、ごみ、汚泥、糞尿などと同様の「廃棄物」としています。
・ Ⓐ 動物の死体は、産業廃棄物以外の「一般廃棄物」とされます。
・ Ⓑ 一般廃棄物は、市区町村が、収集・運搬・処理するものとされています。
・ Ⓒ 一般廃棄物の収集と運搬を行うには、「一般廃棄物処理業者の許可が必要です。
・ Ⓓ 一般廃棄物の処理には、「一般廃棄物処理施設の許可」が必要です。
・ Ⓔ 「何人もみだりに廃棄物を捨ててはならない」と定めています。
・ Ⓕ 「何人も(所定の場合を除き)廃棄物を焼却してはならない」と定めています。
・ Ⓖ 飼主がペットの死体を捨てたり、焼却してはなりません。
・ ㋩ 宗教的にペットの火葬・埋葬などを行うペットの死体は「廃棄物に該当しない」という通達があります。
・ Ⓐ 墓地埋葬方の許可も廃棄物処理法の許可もなく、行うことができます。
・ Ⓑ ペット供養の動物の死体は「廃棄物である」とする判決があります。
9 個人の性別
⑴ 個人の性別
・ ㋑ 個人の性別は、生物学的な性別によります。
・ ㋺ 「男と女を神が創造した」(聖書・創世記)。
⑵ 性同一性障害
・ ㋑ 「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」
・ ㋺ 「性同一性障害」とは、
・ Ⓐ 生物学的な性別は明らかであるが、
・ Ⓑ 心理的には別の性別との継続的確信を持ち、
・ Ⓒ 身体的・社会的にその性別に適合させようとの意思を有し、
・ Ⓓ 2人以上の専門医による診断が一致していることをいいます。
・ Ⓔ 生物学的性別と心理的性別との相違です。
・ ㋩ 「性別取扱変更」の審判
・ Ⓐ 家庭裁判所の審判により、性別の取扱を変更できます。
・ Ⓑ 審判請求の要件
・ ⓐ 20歳以上であること
・ ⓑ 現に婚姻していないこと
・ ⓒ 現に未成年の子がいないこと
・ ⓓ 生殖器がないか、生殖腺の機能を永続的に欠くこと
・ ⓔ 身体上、別の性別の外性器に類似の外観であること
・ ㋥ 性別の変更
・ Ⓐ この審判により、「性別の変更」とみなされます。
・ Ⓑ ただし、法律上、別段の定めがある場合を除きます。
・ Ⓒ 性別変更前の身分関係・権利義務関係には影響しません。
⑶ LGBT
・ ㋑ 「LGBT」とは
・ Ⓐ L=Lesbian (レズビアン)
・ Ⓑ G=Gay (ゲイ)
・ Ⓒ B=Bisexual (バイセクシャル)
・ Ⓓ T=Transgender (トランスジェンダー)
・ ㋺
・ Ⓐ
・ Ⓑ
・ ㋺
・ ㋺
・ ㋺
・ ㋺
・ ㋺
・
参照論文
・
(中国・無錫の太湖)
Ⅵ 個人の事件事故
1 契約の違反
⑴ 「契約の違反」とは
⑵ 契約違反で被害を受けた場合
⑶ 契約違反をしてしまった場合
2 不法行為
⑴ 「不法行為」とは
⑵ 不法行為で被害を受けた場合
⑶ 不法行為をしてしまった場合
3 犯罪行為・違法行為
⑴ 犯罪行為などで被害を受けた場合
⑵ 犯罪行為などに巻き込まれてしまった場合
⑶ 犯罪行為などを犯してしまった場合
4 振り込め詐欺などの被害予防
⑴ 宗教の信者を対象にした詐欺
⑵ 宗教団体を名乗った詐欺
⑶ 電話・ファックスによる詐欺
⑷ ネット・スマホ・SNSによる詐欺
⑸ 自宅への訪問による詐欺
5 不正行為・不当行為
⑴ 「不正行為」「不当行為」とは
⑵ 不正行為などで被害を受けた場合
⑶ 不正行為などをしてしまった場合
6 ハラスメント
⑴ 「ハラスメント」とは
⑵ ハラスメントで被害を受けた場合
⑶ ハラスメントをしてしまった場合
(ベトナム・ハロン湾にて)
Ⅶ 個人の死後対策
・ 「遺言」「相続」に関しては、「権利義務」のページもご参照ください。
1 「終活」とは
⑴ 今の日本社会……
㋑ 今の日本社会では「終活」という言葉が流行しています。
㋺ 「終活」という言葉で勧められていることは、
Ⓐ 自分の死を想定して、「死への準備」をすること
それは必要なことですが、実際には異なるようです。
Ⓑ 「死への準備」と言いながら、
求めていることは、主として「財産の処分」です。
Ⓒ あるいは、「自分の葬儀」や「自分の埋葬」の生前手続きです。
しかし、それは「自分でできること」ではありません。
㋩ 人間も物質か?
Ⓐ 根底にあるのは、「人間も物質である」と言う考え方です。
Ⓑ 物質であれば、その存在期間を終えれば、それで「終わり」です。
㋥ 人間の傲慢
Ⓐ 自分の出生も、自分の死亡も、自分で決定することができません。
Ⓑ 自分の生涯は、自分の責任ですが、自分の決定で完結するものではなりません。
Ⓒ 自分の死を自分で想定するのは、人間の傲慢でしょう。
⑵ 宗教の教え……
㋑ 宗教は、「永遠の神」を信じています。
Ⓐ 「永遠」とは「時空の存在」である現世に対する概念です。
Ⓑ 現世は、「時間と空間の存在(時空の存在)」です。
Ⓒ 現世の存在には、時間と空間の制限があります。
Ⓓ 「永遠の存在」とは、時間と空間の制限がない世界です。
㋺ 宗教は、「人間の生命」の永遠を説いています。
Ⓐ 「死んで終わり」ではないこと。
Ⓑ 「自分の生命」は、永遠であること。
㋩ 宗教は、「死後の審判」を説いています。
Ⓐ 死後、自分の生涯の一切の行為について審判を受けること。
Ⓑ 「死んで終わり」の人生なら「無責任の生き方」ができます。
Ⓒ 「死んで終わり」でないなら「責任ある生き方」が求められます。
⑶ 「葬式代の準備」は必要か?
㋑ 「(自分の)葬式代の準備」は必要ない
Ⓐ そもそも「葬式」は「本人」の行う行為ではありません。
Ⓑ 「自分」はどうしても「自分の葬式」を行うことはできません。
Ⓒ 「葬式代がない」と言って「遺族が悲しむ」ことはないでしょう。
Ⓓ 「葬式代」は「相続財産」となり「相続税」の対象となります。
Ⓔ 「葬式」は、遺族が、死者に対する自分の最善を尽くすものです。
Ⓕ 葬式代の大小で、葬式の良し悪しが決まるものではありません。
2 遺言
⑴ 「遺言」とは
㋑ 「遺言」は、死者の「最後の意思表示」とも言えますが、時間的に最後になされた意思表示とは限りません。
㋺ 「遺言」は、遺言者の死亡によって効力を発しますから、「死者の意思表示」と言うこともできます。
㋩ 「遺言」は、死後に発効するものですから、厳格な法的定めがあり、それに従わないと無効になります。
㋥ 「遺言」は、法律上の効果のある意思表示をいい、法律上の効果の生じない死者の「書き置き」「言い残し」などとは異なります。
㋭ 法律で定められた「遺言の方式」には、
Ⓐ 普通方式として、
ⓐ 自筆証書遺言
ⓑ 秘密証書遺言
ⓒ 公正証書遺言 の3種があり、
Ⓑ 特別方式として、
ⓐ 死亡危急時の遺言
ⓑ 伝染病隔離者の遺言
ⓒ 船舶遭難時の遺言
ⓓ 船舶乗船者の遺言 の4種があります。
⑵ 遺言でできること・できないこと
① 遺言でできること
② 遺言でできないこと
㋑ 後継の宮司・住職・牧師・会長・理事長・社長などの指定
㋺ 結婚の指定、非婚の指定、離婚の指定
⑶ 遺言の保管
① 遺言書の保管
㋑ 公正証書遺言の場合は、遺言書の原本は、公証人役場で保管されます。
㋺ 自筆証書遺言の場合は、Ⓐ自分で保管するか、Ⓑ法務局で保管してもらいます。
㋩ 宗教団体で信者のために遺言書の保管を行うことも有益です。
② 遺言書の検認・開封
㋑ 遺言書の検認
Ⓐ 相続が開始した(遺言者が死亡した)ことを知ったときは、遺言書を保管者は、遺言書を家庭裁判所に提出して、裁判所の検認を受けなければなりません。
Ⓑ 遺言書の存在を確認し、変造・偽造を防ぐための手続きです。
Ⓒ 遺言書の検認がないと、遺言による諸手続きができません。
㋺ 遺言書の開封
封緘された遺言書の場合は、家庭裁判所で、相続人の立会の下でなければ、開封してはなりません。
⑷ 遺言の執行
① 遺言執行が必要な遺言事項
㋑ 遺言執行者が必要な遺言事項
Ⓐ 認知
Ⓑ 推定相続人の廃除
Ⓒ 一般社団法人の設立
㋺ 遺言執行者が必要でない遺言事項
Ⓐ 遺贈
Ⓑ 特定財産承継による遺贈
Ⓒ 信託
Ⓓ 生命保険の受取人の変更
② 遺言執行が必要でない遺言事項
Ⓐ 未成年後見人・後見監督人の指定
Ⓑ 相続分の指定
Ⓒ 遺産分割の指定
Ⓓ 相続人の担保責任
Ⓔ 遺言執行者の指定
Ⓕ 遺言執行者の職務内容
Ⓖ 著作者の人格的利益の保護
③ 遺言執行者
Ⓐ 遺言執行者には、遺言の内容を実現するために必要な一切の行為を行う権利義務があります。
Ⓑ 遺言執行者がある場合には、「遺贈」の履行は、遺言執行者のみがすることができます。
Ⓒ 遺言執行者は、ⓐ遺言による指定か、ⓑ家庭裁判所による選任によります。
④ 遺言執行の時期
㋑ 従来は・・・
Ⓐ 「四十九日までは遺言執行しない」と言われていました。
Ⓑ 「葬儀の席で遺産相続の話は不謹慎」と言われます。
㋺ 民法(相続法)の改正によって
Ⓐ 「相続に対抗要件が必要」とされました。
Ⓑ そのため、相続開始後、直ちに遺言執行することが必要です。
Ⓒ 怠っていると、遺言内容が実行されない場合があります。
㋩ 例えば
Ⓐ 父は、3人兄弟の長男に、全部相続の遺言をしていました。
Ⓑ 父の死後、遺言執行を49日まで待っている間に、
Ⓒ 次男は、自分の法定相続分(⅓)を単独で相続登記してしまい、
その持分(⅓)を、第三者に売却して、移転登記しました。
第三者が善意なら、長男は対抗できません。
Ⓓ 三男は多額の借金をしていて、返済できないところ、
債権者が三男の持分(⅓)を差押さえてしまいました。
長男は差押債権者には対抗できません。
Ⓔ 結局、
長男は、全部相続の遺言があったのに、
⅔を取られてしまい、⅓だけしか相続できません。
Ⓕ この場合、
共有者となった第三者や債権者が悪質な者なら、
長男に持分の不当に高価な買取りを請求するかもしれません。
買取らなければ、⅓の持分は使い物にならなくなります。
結局、長男は全てを失ってしまうことになります。
⑸ 参考文献
・ 櫻井圀郎『遺言の作法 〜 死んでも生きる言葉 〜』(ライフリサーチプレス、1999年)
3 遺産相続(資産・負債の承継)
⑴ 個人の死後、一般の財産(資産・負債)は、相続人に遺産相続されます。
⑵ 「相続人」となるのは、
・ ① 配偶者と、
・ ② 第一に、子、
・ ③ 第二に、父母・祖父母など直系尊属、
・ ④ 第三に、兄弟姉妹です。
⑶ 「相続分」は、
・ ㋑ 遺言がなければ、
・ ① 配偶者と子なら、各々½、
・ ② 配偶者と直系尊属なら、配偶者⅔、尊属⅓、
・ ③ 配偶者と兄弟姉妹なら、配偶者¾、兄弟姉妹¼となります。
・ ㋺ 遺言があれば、遺言に従います。
⑷ 相続人が数人ある場合には、
・ 相続財産は、数人の相続人の共有となります。
⑸ 共有の相続財産は、
・ ㋑ 各相続人の「遺産分割協議」によって「遺産分割」をして、
・ ㋺ 各相続人に具体的な財産として分割します。
⑹ 代襲相続
・ ㋑ 相続人となる子が本人より先に死亡している場合には、
・ 本人の卑属である「子の子」が子に代わって相続人となります。
・ ㋺ 「子の子」も死亡している場合には
・ 「子の子の子」が子に代わって相続人となります。
・ ㋩ 相続人となる兄弟姉妹が本人より先に死亡している場合には、
・ 「兄弟姉妹の子」が兄弟姉妹に代わって相続人となります。
・ その子が死亡していても、その「子の子」には代襲相続されません。
4 祭祀継承(祭祀用財産の承継)
⑴ 「祭祀用財産」は、
・ ㋑ 一般の財産(遺産)と区別されます。
・ ㋺ 遺産相続の対象とはなりません。
⑵ 「祭祀用財産」は、
・ ㋑ 法律上「系譜、祭具、墳墓の所有権」をいいます。
・ ㋺ 家庭祭壇、邸内神社(神祠)、神棚、仏壇、位牌、墓所・墓石、
・ 神像・仏像、数珠、経典・聖書、十字架・メダイ・ロザリオ、
・ 聖画・仏画、神書、掛け軸、銅鑼・太鼓・木魚、提灯・燈明、
・ 幟・旗・流、祭祀・礼拝用の建物とその敷地なども、
・ 祭祀用財産と考えられます。
⑶ 一般の財産は相続人に遺産相続されますが、
・ 祭祀用財産は「祖先祭祀主宰者」に承継されます。
⑷ 祖先祭祀主宰者は、
・ ① 第一に、慣習によって祖先祭祀の主宰者となる者、
・ ② 第二に、故人が祖先祭祀主宰者として指定した者、
・ ③ 第三に、家庭裁判所が祖先祭祀主宰者に定めた者です。
⑸ 祖先祭祀主宰者は、
・ ㋑ その性質上、多くの場合、相続人の一人がなりますが、
・ ㋺ 相続人である必要はありませんし、
・ ㋩ 親族の一員である必要もありません。
⑹ 相続人の一人が祖先祭祀主宰者となり、
・ ㋑ 仮に、高額の祭祀用財産を承継したとしても、
・ ㋺ それゆえに遺産相続の相続分に影響を与えることはありません。
・ ㋩ 両者は全く別の手続きだからです。
⑺ 祖先祭祀主宰者は、
・ ㋑ 通例、一人ですが、
・ ㋺ 一人であることに限定されません。
・ ㋩ しかし、古来の慣例による制度なので、
・ ㋥ 近代的な法人は祖先祭祀主宰者になることができないと考えられます。
⑻ 祖先祭祀主宰者の指定は、
・ ㋑ 被相続人が「遺言書」で行うことができます。
・ ㋺ 公証人役場で「公正証書遺言」として、作成しておくことが有効です。
・ ㋩ もちろん、「自筆証書遺言」でも、「秘密証書遺言」でも構いません。
・ ㋥ もちろん、「危急時遺言」や「伝染病隔離病棟における遺言」でも構いません。
・ ㋭ 「自筆証書遺言」の場合、法務局に保管してもらうのが安心です。
・ ㋬ もちろん、自宅で保管しても構いません。
・ ㋣ 宗教の信者としては、神社・寺院・教会など宗教団体で保管してもらうのが安全確実でしょう。
⑼ 祖先祭祀主宰者の指定は、
・ ㋑ 被相続人が「祖先祭祀主宰者指定書」を作成して指定することも可能です。
・ ㋺ 祖先祭祀主宰者指定書は、公証人役場で「確定日付」を受けておくことが有効です。
・ ㋩ 被相続人の意思を疑われるおそれのある場合(認知症が疑われる場合など)には、
・ ㋥ 公証人役場で祖先祭祀主宰者指定書に「私署証書の認証」を受けておくのが有益です。
⑽ 「確定日付」とは、
・ ㋑ 作成された書類を公証人が「日付印」を押捺する手続きです。
・ ㋺ それによって、その書類の日付が改竄されることを防ぎます。
・ ㋩ 公証人の確認日付は、その書類が公証人に提出された日付です。
(11) 「私署証書の認証」とは、
・ ㋑ 書類になされた署名や押印が本人の意思によることを証明する手続きです。
・ ㋺ 書類の作成者が、公証人役場に出向く必要があります。
・ ㋩ 公証人が本人の署名・押印であることを確認します。
・ ㋥ 書類に、公証人の認証書が編綴されます。
(12) 祭祀用財産の承継は、
・ ㋑ 遺産相続ではなく、
・ ㋺ 財産の贈与・譲渡などでもありませんので、
・ ㋩ 相続税・贈与税・所得税などの対象となることはありません。
(13) 法律上、
・ ㋑ 「祖先の祭祀」とされていますが、
・ ㋺ 極めて厳格に「祖先の祭祀」を規定し、
・ ㋩ 「祖先の祭祀」に限定されると考えるよりは、
・ ㋥ 広い意味で「故人の祭祀」「故人の信仰」「故人の宗教」の承継と考えるのが適切でしょう。
(14) 故人が、
・ ㋑ 個人で、
・ Ⓐ 独自に宗教活動を行っていた場合や、
・ Ⓑ 神社・寺院・教会・祈祷所・礼拝所などを運営していた場合には、
・ ㋺ 「祭祀用財産」ではありませんが、
・ Ⓐ 「宗教の尊厳」を守り、
・ Ⓑ 「信教の自由」を保持するため、
・ ㋩ 「祖先祭祀として」または「祖先祭祀に準じて」、
・ Ⓐ 一般の遺産相続とは別に、
・ Ⓑ 故人の遺志を継いで、
・ Ⓒ 当該宗教活動や社寺教会などを運営する者に、
・ 承継させるのが適切でしょう。
5 宗教団体
⑴ 故人が、
・ ㋑ 個人で、
・ Ⓐ 独自に宗教活動を行っていた場合や、
・ Ⓑ 神社・寺院・教会・祈祷所・礼拝所などを運営していた場合、
・ ㋺ 「宗教の尊厳」を守り、
・ ㋩ 「信教の自由」を保持するため、
・ ㋥ 故人の遺志を継いで当該宗教活動や社寺教会などを運営する者に、
・ 承継させることが必要です。
⑵ このような場合、
・ ㋑ 「個人で行っている」「個人で運営している」と言われても、
・ ㋺ 「法人ではない」という意味であって、
・ ㋩ 文字通りに、
・ 「宗教活動」や「社寺教会など」は「個人の事業」でありません。
⑶ ほとんどの場合は、
・ 宗教法人法第2条に該当する「宗教団体」であると思われます。
⑷ 宗教法人法第2条の「宗教団体」に該当しない場合でも、
・ 「人格のない社団」や「人格のない財団」に該当するのがほとんどです。
⑸ このように「宗教団体」「人格のない社団」「人格のない財団」であれば、
・ ㋑ 不動産などの財産の所有名義上は「個人」になっていたとしても、
・ ㋺ 「個人の所有」ではなく、
・ ㋩ 「宗教団体・人格のない社団・人格のない財団の所有」ですから、
・ ㋥ 故人の死亡に伴って「個人の相続人が遺産相続する」ことは不適切です。
⑹ 「個人の死亡」の時期は全く神仏の意思により、
・ ㋑ 人為的に把握することは不可能ですから、
・ ㋺ 予め「個人の死亡」を想定して、
・ ㋩ 「宗教団体」「人格のない社団」「人格のない財団」など
・ の組織を明確化しておくことが必要です。
⑺ 基本的には、
・ ㋑ 「宗教団体の基範」を明文の規定として制定し、
・ ㋺ 役員を選任し、
・ ㋩ 予算決算を実施し、
・ ㋥ 会議録などを整えておくことが必要です。
6 信仰継承
⑴
⑵
7 葬儀埋葬
⑴ 葬儀の指定
㋑ 「葬儀の遺言指定」や「葬儀の死後事務委任」を勧める広告が多く出ています。
㋺ しかし、「遺言」で、自分の葬儀を指定することはできません。
㋩ また、「死後事務委任」で、自分の葬儀を行うことはできません。
㋥ もちろん、「生命保険」や「損害保険」で、自分の葬儀を行うことはできません。
㋭ そもそも、「自分の葬儀」を「自分で行う」ことはできません。
㋬ 葬儀を行うのは「遺族」「相続人」であり、「自分」ではないからです。
㋣ 葬儀を行うのは遺族・相続人の権利でもあり、義務でもあります。
㋠ もちろん、推定される遺族や相続人との合意によって定めることは可能です。
⑵ 葬儀は宗教行為
㋑ 「葬儀」は「宗教行為」です。
㋺ 「無宗教の葬儀」も特定の宗教の教義に基づかない宗教行為です。
㋩ 「自分の葬儀」であっても「他人の宗教行為」である葬儀を指定することはできません。
㋥ 「生前の契約」によって「自分の葬儀」を代理人を介して自ら行うことはできません。
㋭ 葬儀の指定や委任は、遺族・相続人などの「信教の自由」の侵害となります。
㋬ 「遺族に迷惑をかけないために」という宣伝文句に惑わされないようにしてください。
⑶ 埋葬の指定や代行
㋑ 「埋葬の遺言指定」や「埋葬の死後事務委任」を勧める広告が多くあります。
・ ここでは、「埋葬」とは、「死体の埋葬(土葬)」だけではなく、
・ 「火葬にした残骨(焼骨)の埋蔵や収蔵(納骨)」を含みます。
・ また、「焼骨を自宅に安置」することも含みます。
㋺ しかし、「遺言」で、自分の埋葬を指定することはできません。
㋩ また、「死後事務委任」で、自分の埋葬を行うことはできません。
㋥ もちろん、「生命保険」や「損害保険」で、自分の埋葬はできません。
㋭ そもそも、「自分の埋葬」を「自分で行う」ことはできません。
㋬ 埋葬を行うのは「遺族」「相続人」であり、「自分」ではないからです。
㋣ 埋葬を行うのは遺族・相続人の権利でもあり、義務でもあります。
㋠ もちろん、推定される遺族や相続人との合意によって定めることは可能です。
⑷ 埋葬は宗教行為
㋑ 「埋葬」は「宗教行為」です。
㋺ 「無宗教の埋葬」も特定の宗教の教義に基づかない宗教行為です。
㋩ 「自分の埋葬」であっても「他人の宗教行為」である埋葬を指定することはできません。
㋥ 「生前の契約」によって「自分の埋葬」を代理人を介して自ら行うことはできません。
㋭ 埋葬の指定や委任は、遺族・相続人などの「信教の自由」の侵害となります。
㋬ 生前に購入した「墓地」「墳墓」「納骨堂」「樹木葬」などが、無駄になるどころか、家族紛争・親族紛争のもとになることも少なくありません。
㋣ 「遺族に迷惑をかけないために」という宣伝文句に惑わされないようにしてください。
⑸ 先祖の墓の整理(墓じまい)
㋑ 「子どもに世話をかけないように」というTVCM・雑誌広告・新聞広告・ネット広告・メール広告に合わせるように、先祖の墓の整理(墓じまい)が多くなっています。
㋺ 墓じまいには、①改葬の許可、②埋蔵骨の取り出し、③合祀墓への合祀、④墓石の取り壊し、⑤墓石の処分、⑥離壇料の支払いなどが必要となり、数十万円から数百万円もの費用が必要になっています。
㋩ しかし、後になって、子どもたち・親族から、強烈な異議・抗議が出されるケースが増えています。
㋥ もはや、絶対に、元には戻りません。
㋭ 宣伝文句につられ、「迷惑をかけたくない」という親切心から、高額の費用をかけたのに、結果が真逆になってしまいます。
⑹ 自分のお墓(生前墓)
㋑ 「子どもに世話をかけないように」というTVCM・雑誌広告・新聞広告・ネット広告・メール広告に合わせるように、生前に自分の墓を購入する「生前墓」が増えています。
㋺ しかし、いざ埋葬という時になって、子供たちや親族らから、文句が出るケースも多くなっています。
㋩ 「自分の墓」と言いながら、その墓を維持管理するのは、自分ではなく、遺族・相続人であることを忘れてはなりません。
㋥ 自分では便利で費用もかからなくて「良い」と思ったとしても、実際に維持管理する者には逆に「悪い」こともあります。
㋭ 「自分の埋葬は自分ではできない」ことを考えておかなければなりません。
8 相続人の不在(相続財産法人)
⑴ 亡くなられた本人に、
・ ㋑ 「相続人のあることが明らかでない」ときには、
・ ㋺ 相続財産は「相続財産法人」となります。
⑵ 亡くなられた本人に、
・ ㋑ 戸籍上、相続人があるとしても、その相続人の所在が明らかでない場合、
・ ㋺ 相続人があり、
・ Ⓐ 最終の住所までは判明しても、
・ Ⓑ その後の行き先が不明で、
・ Ⓒ 現在の所在がわからず、
・ Ⓓ 相続人と連絡が取れない場合、
・ ㋩ 相続人がいない場合にも、
・ 同様に考えられます。
⑶ この場合、
・ ㋑ 利害関係人は、家庭裁判所に、
・ ㋺ 「相続財産管理人選任」の申し立てをし、
・ ㋩ 裁判所に選任された相続財産管理人が、
・ ㋥ 相続財産の調査や相続人の調査を行い、
・ ㋭ 最終的に、相続財産の適法な処分を行います。
⑷ 相続財産管理人は、
・ 弁護士や司法書士などが選任されるのが通例です。
⑸ 相続財産管理人は、
・ ㋑ 相続財産について財産目録を作成し、
・ ㋺ 財産を保存し、
・ ㋩ 家庭裁判所の許可を得て財産について必要な行為をし、
・ ㋥ 相続債権者・受遺者に公告して弁済し、
・ ㋭ 相続人捜索の公告をし、
・ ㋬ 特別縁故者への財産分与をし、
・ ㋣ 残余財産を国庫に帰属させます。
・
(中国河南省洛陽の龍門石窟)
Ⅷ 感染症下の信仰生活
1 宗教の信仰と感染症の予防
⑴ 神仏の加護・導きの下にある信仰者にも、現世における知恵・技術を用いることが求められています。
⑵ 神仏の意図を解して、生を受けたこの世での生活を、秩序正しく生きることが求められており、無思慮・無秩序・野放図・自堕落な生活をすることは信仰者の生き方として相応しいことではありません。
⑶ 感染症に罹患し、重症となり、死亡するかは、神仏の計らい・摂理・機縁・縁起などによりますが、自己に求められる限度で、細心の注意を払い、最大の努力をするのが信仰者の態度です。
2 社会に向けての啓蒙
⑴ 社会のあらゆる人々に宗教の教義や理念をひろめることは宗教の重要な働きの一つですが、感染症の予防や対策を通じても、それは行われるべきことでしょう。
⑵ 感染症も神仏の統治下にあると考えれば、この期に静かな布教・伝道・宣教として展開することも御意思にかなうことでしょう。
3 社会における信仰者
⑴ 感染症の予防対策
・ ㋑ 三密(密閉・密集・密接)の防止・回避
・ Avoid 3C(Closed spaces, Crowded places, Close-contact settings)
・ ㋺ 大声・歓声・高吟などの防止
・ ㋩ アクリル板・プラスチック幕などの設置
・ ㋥ 大皿料理、回し飲み、食品配布などの防止・改革
・ ㋭ アルコール消毒、マスクの着用、フェイスシールドの着用など
・ ㋬ その意味は
・ Ⓐ ウイルスの影響を受けないために(自己のために)
・ Ⓑ ウイルスを拡散させないために(他者のために)
⑵ 「他者の非難」ではなく「自己の姿勢」として
・ ㋑ 市中でのマスクの常時着用
・ Ⓐ 直接的な意味のほかに、間接的な意味もあります。
・ Ⓑ 「感染症を意識して行動している」という表示の意味もあります。
・ ㋺ 「他者の非難」ではなく「自己の姿勢」として
・ Ⓐ 他者に対して云々するのではなく、信仰者としての自己の姿勢として
・ Ⓑ 社会における信仰者の生き方として
⑶ 「油断」が「破滅」を招く
・ ㋑ 「油断」とは、
・ ㋺ 「涅槃経」の話では、
・ Ⓐ 油を運ぶのに油をこぼした者は生命を断たれます。
・ Ⓑ 過酷な王の命令とも解されていますが、
・ Ⓒ 不注意な行為は死を招くとも解しえます。
・ ㋩ 「マタイ福音書」の話では、
・ Ⓐ 油の準備を怠った処女は屋敷に入るのを拒絶されます。
・ Ⓑ 「屋敷」とは「天国」「永遠の生命」を意味します。
・ Ⓒ 「屋敷に入れない」と「地獄」「永遠の死」です。
・ ㋥ 両者から、
・ Ⓐ 注意を怠ることは、死を招きます。
・ Ⓑ 準備を怠ることは、死を招きます。
・ ㋭ 信仰者に求められることは、
・ Ⓐ 注意を怠らず、準備を怠らず、ベストを尽くすことです。
・ Ⓑ 仏に帰依し、神に献身しているからこそ、ベストを尽くします。
・
☆ 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連の公的補助
・ 経済産業省「持続化給付金」
・ 経済産業省「機器関連保証制度」
・ 経済産業省「家賃支援給付金」
・ 日本政策金融公庫「特別貸付」
・ 日本政策金融公庫「経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
・ 厚生労働省「雇用調整助成金」
・ 厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」
・ 厚生労働省「小学校休業等対応支援金」
・ 日本年金機構「保険料の支払猶予」
・ 国税庁「国税の納付猶予」
・ 東京都「雇用環境整備促進事業」
・ 東京都「緊急融資」
・
・
☆ 個人生活に関する論文
櫻井圀郎「婚約の効果」
櫻井圀郎「信仰の相違と離婚請求」
櫻井圀郎「旧約聖書の姦淫と契約神学上の意味」
櫻井圀郎「聖書に基づく性別の意味」
櫻井圀郎「親族に関わる法と祖先崇拝」
櫻井圀郎「日本人の宗教観と祖先崇拝の構造」
櫻井圀郎「神への礼拝と死者の慰霊」
櫻井圀郎「社会福祉の神学・序説」
櫻井圀郎「葬送法上の諸問題」
櫻井圀郎「『殺してはならない』の神学的意味とその展開」
櫻井圀郎「『罪の赦し』の論理」
櫻井圀郎「十字架の意味」
櫻井圀郎「救いの契約と信仰」
櫻井圀郎「許されない罪」
櫻井圀郎「さばきの神学」
櫻井圀郎「永遠の生命」
櫻井圀郎「社会福祉事業のリスクマネジメント〜有料老人ホームにおける要介護者の権利侵害と介護労働者の雇用〜」
櫻井圀郎「長寿化社会の宣教論」
☆ 自己教化の生き方
・ 1 宗教団体の第一は「宗教の教義をひろめること」です。
・ 2 他者に対して、宗教の教義を教え、信仰に導くことです。
・ 3 関心は他者への教化(他者教化)にあります。
・ 4 しかし、重要なのは「自己教化」です。
・ 5 自己を「譴責し、叱責し、教化し、召喚せよ」。
・ 6 神の法廷に自己を召喚する生き方です。
・ 7 神と傍聴の万人の前に、自己の行為・内心の一切を晒すことです。
・ 8 神の意思を体現する生き方です。
(グアムにて)