日本の宗教の概要

日本の宗教

一目で分かる「日本の宗教」

日本の宗教

   一 神社神道

1 『古事記』の神々

  ⑴ 「造化三神」

     ① 天之御中主神(あめのみなかぬしのかみ)
     ② 高御産巣日神(たかみむすびのかみ)
     ③ 神産巣日神(かみむすびのかみ)

  ⑵ 「別天神」

     ① 宇麻志阿斯備比古遅神(うましあしかびこじのかみ)
     ② 天之常立神(あめのとこたちのかみ)

  ⑶ 「神世七代」

     ① 国之常立神(くにのとこたちのかみ)
     ② 豊雲野神(とよくもぬのかみ)
     ③ 宇比地邇神(ういじにのかみ)・須比智邇神(すいじにのかみ)
     ④ 角杙神(つぬぐいのかみ)・活杙神(いくぐいのかみ)
     ⑤ 意富斗能地神(おおとのじのかみ)・大斗乃弁神(おおとのべのかみ)
     ⑥ 淤母陀琉神(おもだるのかみ)・阿夜訶志古泥神(あやかしこぬのかみ)
     ⑦ 伊弉諾尊(いざなぎのみこと)・伊弉冉尊(いざなみのみこと)

  ⑷ 天位継承時代

     ① 天照大神(あまてらすおおみかみ)
     ② 天之忍穂耳命(あめのおしほみみのみこと)
     ③ 瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)(「天孫降臨」の神)
     ④ 日子穂穂手見命(ひこほほでみのみこと)
     ⑤ 鵜葺草葺不合命(うがやふきあえずのみこと)

  ⑸ 「人代」

     神武天皇から、今上天皇に至るまでの「天皇」。

     1 神武(じんむ)、2 綏靖(すいぜい)、3 安寧(あんねい)、4 懿徳(いとく)、5 孝昭(こうしょう)、6 孝安(こうあん)、7 孝霊(こうれい)、8 孝元(こうげん)、9 開化(かいか)、10 崇神(すじん)、11 垂仁(すいにん)、12 景行(けいこう)、13 成務(せいむ)、14 仲哀(ちゅうあい)、15 応神(おうじん)、16 仁徳(にんとく)、17 履中(りちゅう)、18 反正(はんぜい)、19 允恭(いんぎょう)、20 安康(あんこう)、21 雄略(ゆうりゃく)、22 清寧(せいねい)、23 顕宗(けんぞう)、24 仁賢(にんけん)、25 武烈(ぶれつ)、26 継体(けいたい)、27 安閑(あんかん)、28 宣化(せんか)、29 欽明(きんめい)、30 敏達(びだつ)、31 用明(ようめい)、32 崇峻(すしゅん)、33 推古(すいこ)、34 舒明(じょめい)、35 皇極(こうぎょく)、36 孝徳(こうとく)、37 斉明(さいめい)、38 天智(てんじ)、39 弘文(こうぶん)、40 天武(てんむ)、41 持統(じとう)、42 文武(もんむ)、43 元明(げんめい)、44 元正(げんしょう)、45 聖武(しょうむ)、46 孝謙(こうけん)、47 淳仁(じゅんにん)、48 称徳(しょうとく)、49 光仁(こうにん)、50 桓武(かんむ)、51 平城(へいぜい)、52 嵯峨(さが)、53 淳和(じゅんな)、54 仁明(にんみょう)、55 文徳(もんとく)、56 清和(せいわ)、57 陽成(ようぜい)、58 光孝(こうこう)、59 宇多(うだ)、60 醍醐(だいご)、61 朱雀(すざく)、62 村上(むらかみ)、63 冷泉(れいぜい)、64 円融(えんゆう)、65 花山(かざん)、66 一条(いちじょう)、67 三条(さんじょう)、68 後一条(ごいちじょう)、69 後朱雀(ごすざく)、70 後冷泉(ごれいぜい)、71 後三条(ごさんじょう)、72 白河(しらかわ)、73 堀河(ほりかわ)、74 鳥羽(とば)、75 崇徳(すとく)、76 近衛(このえ)、77 後白河(ごしらかわ)、78 二条(にじょう)、79 六条(ろくじょう)、80 高倉(たかくら)、81 安徳(あんとく)、82 後鳥羽(ごとば)、83 土御門(つちみかど)、84 順徳(じゅんとく)、85 仲恭(ちゅうきょう)、86 後堀河(ごほりかわ)、87 四条(しじょう)、88 後嵯峨(ごさが)、89 後深草(ごふかくさ)、90 亀山(かめやま)、91 後宇多(ごうだ)、92 伏見(ふしみ)、93 後伏見(ごふしみ)、94 後二条(ごにじょう)、95 花園(はなぞの)、96 後醍醐(ごだいご)、97 後村上(ごむらかみ)、98 長慶(ちょうけい)、99 後亀山(ごかめやま)、100 後小松(ごこまつ)、101 称光(しょうこう)、102 後花園(ごはなぞの)、103 後土御門(ごつちみかど)、104 後柏原(ごかしわばら)、105 後奈良(ごなら)、106 正親町(おおぎまち)、107 後陽成(ごようぜい)、108 後水尾(ごみずのお)、109 明正(めいしょう)、110 後光明(ごこうみょう)、111 後西(ごさい)、112 霊元(れいげん)、113 東山(ひがしやま)、114 中御門(なかみかど)、115 桜町(さくらまち)、116 桃園(ももぞの)、117 後桜町(ごさくらまち)、118 後桃園(ごももぞの)、119 光格(こうかく)、120 仁孝(にんこう)、121 孝明(こうめい)、122 明治(めいじ)、123 大正(たいしょう)、124 昭和(しょうわ)、125 平成(へいせい)。

2 神社の神々

  ⑴ 主な神々

     天照大神  太陽神、最高神、伊勢神宮(内宮)
     豊受大神  天照大神に食事を奉る神。伊勢神宮(外宮)
     猿田彦神  瓊瓊杵尊の降臨を先導した神。田の神、道祖神、猿田彦神社
     大国主神  天孫降臨前に国土創生した神。出雲大社、大黒天と習合
     日本武尊  英雄、草薙の剣
     住吉三神  新羅征伐を守護、航海・国家の守護、住吉大社
     宗像三神  海路の守護、玄界灘・沖ノ島神社、瀬戸内・厳島神社
     大物主神  奈良・三輪山神社の神
     八幡の神  九州・宇佐神宮。2番目に多い神社。海神・農耕神、
     稲荷の神  京都・伏見稲荷大社。1番多い神社。農耕神、屋敷神
     熊野の神  紀州・熊野三大社、「八咫烏」
     鹿島香取  茨城・鹿島神社、千葉・香取神社、武神
     春日の神  奈良・春日大社、藤原氏の氏神から
     諏訪の神  長野・諏訪神社、狩猟神
     塩竃の神  宮城・塩竃神社。航海・漁業・製塩・安産の神
     金毘羅神  香川・金刀比羅宮。航海安全・海難救助の神
     山王の神  滋賀・日枝大社、比叡山の地主神から
     浅間の神  静岡・富士山本宮浅間神社、富士山信仰
     愛宕の神  京都・愛宕神社。火伏せの神
     秋葉の神  静岡・秋葉山本宮秋葉神社。火の神
     氏  神  本来は氏族の祖先。一般には地域の産土神・鎮守神

  ⑵ 「七福神」

     ① 大 黒   ヒンドゥ教から仏教へ
     ② 毘沙門   ヒンドゥ教から仏教へ
     ③ 弁 天   ヒンドゥ教から仏教へ
     ④ 福禄寿   道教の神
     ⑤ 寿老人   道教の神
     ⑥ 布 袋   中国禅宗の僧
     ⑦ 恵比寿   日本固有。海の彼方から来訪する神

3 社格制度

  ⑴ 『古事記』

     ㋑ 天津神・国津神
       ① 天津神(あまつかみ)
          高天原(たかまのはら)にいる神。高天原から降臨した神。
       ② 国津神(くにつかみ)
          地上に現れた神。国津神=地祇へ。
     ㋺ 天津神 + 国津神
        =「天神地祇」
        =「神祇」

  ⑵ 『延喜式』

     ㋑ 式内社・式外社
       ① 式内社(しきないしゃ)
           『延喜式神名帳』に掲載されている神社。
           新年祭奉幣を受ける神社。
       ② 式外社(しきげしゃ)
          式内社以外の神社。
     ㋺ 官幣社・国幣社
       ① 官幣社(かんぺいしゃ)
           神祇官から奉幣を受ける神社。
       ② 国幣社(こくへいしゃ)
           国司から奉幣を受ける神社。

  ⑶ 近代社格制度

     ㋑ 神 宮
         伊勢神宮。全神社の頂点。
     ㋺ 官 社
       ①  官幣大社
       ②  国幣大社
       ③  官幣中社
       ④  国幣中社
       ⑤  官幣小社
       ⑥  国幣小社
       ⑦  別格官幣社
     ㋩    諸 社
       ①  府県社
       ②  郷 社
       ③  村 社
     ㋥ 無格社

  ⑷ 現代の神社組織

     ① 神  宮
          |
     ② 神社本庁
          |
     ③ 神  社  庁
          |
     ④ 支  部
          |
     ⑤ 神  社

   二 日本の仏教

1 日本への仏教伝来

 ⑴ 仏教私伝

    渡来人によって

 ⑵ 仏教公伝

    552年、百済の聖明王が訪日、「最初の仏像」
    飛鳥仏教、蘇我氏、法興寺(飛鳥寺)、聖徳太子

2 奈良仏教

 ⑴ 国家仏教

   ① 国分寺  国司と国分寺・国分尼寺
   ② 東大寺  全国統括・大仏

 ⑵ 南都六宗

   ① 法相宗  薬師寺
   ② 三論宗  東大寺南院
   ③ 律 宗  唐招提寺
   ④ 倶舎宗  興福寺
   ⑤ 成実宗  大安寺
   ⑥ 華厳宗  東大寺

 ⑶ 南都七大寺

    薬師寺、唐招提寺、興福寺、大安寺、東大寺、法隆寺、西大寺

3 平安仏教

   ① 最澄   天台宗、比叡山、延暦寺
   ② 空海   真言宗、高野山、金剛峯寺

4 鎌倉仏教

   ① 浄土宗    法然
   ② 浄土真宗   親鸞
   ③ 臨済宗    栄西
   ④ 曹洞宗    道元
   ⑤ 日蓮宗    日蓮
   ⑥ 時宗     一遍
   ⑦ 融通念仏宗  良忍

   ㋑ すべての鎌倉仏教は、
       天台宗から……。
   ㋺ 鎌倉仏教の開祖
       法然、親鸞、栄西、道元、日蓮、良忍、一遍
       は、比叡山に上り、天台の修行。
   ㋩ ただし、天台の承継発展ではなく、
       新しい宗派を開拓。

5 江戸仏教

    黄 檗 宗
    檀家制度

6 日本仏教十三宗

   ① 法相宗    薬師寺・興福寺
   ② 華厳宗    東大寺
   ③ 律宗     唐招提寺
   ④ 天台宗    比叡山延暦寺
   ⑤ 真言宗    高野山金剛峯寺
   ⑥ 浄土宗    知恩院
   ⑦ 浄土真宗   本願寺
   ⑧ 時宗     清浄光寺
   ⑨ 融通念仏宗  大念仏寺
   ⑩ 臨済宗    妙心寺
   ⑪ 曹洞宗    永平寺
   ⑫ 黄檗宗    万福寺
   ⑬ 日蓮宗    身延山久遠寺

   三 基督教(キリスト教)

1 基督教(キリスト教)の歴史

 ⑴ 東西分裂

  i 東方教会

   ㋑ 教会の本拠  コンスタンティノープル
   ㋺ 神学の言語  ギリシャ語
   ㋩ 神学の基礎  ギリシャ哲学
   ㋥ 教会の名称  「正統的な教会(オルソ・エクレシア)」を名乗る
   ㋭ 教会の略称  「正教」
   ㋬ 現在の教会  ギリシャ正教、ロシア正教、日本正教会、コプト教会

  ii 西方教会

   ㋑ 教会の本拠  ローマ
   ㋺ 神学の言語  ラテン語
   ㋩ 神学の基礎  ローマ法学
   ㋥ 教会の名称  「普遍的な教会(エクレシア・カトリカ)」を名乗る
   ㋭ 教会の略称  「カトリック」「公教」
   ㋬ 現在の教会  カトリック教会、プロテスタント教会、英国国教会

 ⑵ 西方教会の分裂

  ⅰ 宗教改革

   ① ルター      ルーテル教会
   ② カルヴァン    改革派教会、長老教会
   ③ アナバプテスト

  ⅱ 英国国教会

    王権の行使により、ローマから独立

  ⅲ プロテスタント教会

    カトリック教会から別れたプロテスタント教会は無数に分裂を繰り返す
    現在、世界に20万もの教派教団が存在する
    日本においても150もの教派教団がある

2 日本への基督教(キリスト教)の伝来

 ⑴ 西からの基督教

    奈良時代・平安時代
    シルクロード経由で伝来
    東方の基督教

 ⑵ 南からの基督教

    ザビエル、種子島
    カトリック修道士の日本宣教

 ⑶ 北からの基督教

    ニコライ
    ロシア正教

 ⑷ 東からの基督教

    ①明治の開国時、②戦後(GHQ)
    アメリカのプロテスタント宣教

3 日本の基督教(キリスト教)

 ⑴ 日本ハリストス正教会

 ⑵ カトリック教会(ローマ、ヴァチカン)

    日本カトリック司教協議会、カトリック中央協議会、16の司教区(大司教区)

 ⑶ プロテスタント教会

   ⅰ 日本基督教団

   ⅱ 日本聖公会

   ⅲ ルーテル教会

      日本ルーテル教会、日本福音ルーテル教会など

   ⅳ 改革・長老教会

      日本基督改革派教会、日本長老教会、日本基督教会、日本改革長老教会など

   ⅴ バプテスト教会

      日本バプテスト連盟、日本バプテスト教会連合、日本バプテスト連合、日本バプテスト宣教団など

   ⅵ その他

      ホーリネス教会、救世軍、その他多数